音楽:B'zと神戸

B’zのライブの思い出です。

今思えば、とても貴重な体験をしていたことがわかりました。初めて行ったB’zのライヴは、震災から1年2ヶ月後の神戸公演でした。

1996年3月29日 神戸ワールド記念ホール
1996年3月30日 神戸ワールド記念ホール

どちらかのライヴに行きました(記憶が定かでありません)。ロック系のライブは初体験だったので、大音量に圧倒されたことは覚えています。そしてなにより、稲葉さんがMCで言葉を詰まらせていたことが、一番心に残っています。

後から調べると、いつもは「あと何回コイツを叫び続けたら俺は幸せになれるんだろう…B'zのLIVE-GYMにようこそ!」って言う所を、神戸公演のときだけ「この街で、またこの言葉を叫ぶのをずっと楽しみにしてました。B'zのLIVE-GYMにようこそ!」って挨拶したことを覚えているファンがいました。

B’zのメディア露出が極端に少なかった1994年(いわゆる暗黒時代)が明けて、ポップでキャッチーなアルバム「ザ・ルース」を提げてのツアーでした。1995年およびその前後は、世の中が不穏な時期でもありました。1月の震災後の3月には、地下鉄サリン事件もありました。2年前の1994年といえば、カート・コバーンが亡くなったというロック史上でも最も衝撃的な出来事のひとつがありました。

アルバム「ザ・ルース」の収録曲「夢見が丘」は小豆島を舞台にした小説「二十四の瞳」からインスピレーションを得たと言われます。しかし個人的には、神戸の震災のことも歌っているように思えてなりません。異人館通り、ハーブ園、六高台、塩屋のどこかの高台から瀬戸内海を見下ろしているB’zの二人を思い浮かべてしまいます。

そういえば、「LOVE PHANTOM」のPVも、ギリシアかどこかの岸壁からエーゲ海を眺める姿がありましたね。この曲はコッポラ監督の「ドラキュラ」にインスパイアされたそうです。とても人気のある曲です。個人的には、その歌詞の内容からカルトチックな危なさも読み取ったりしてしまいます。「少しのズレも許せない」という箇所とかです。

今思えば、1994年から1996年あたりは世界が、日本が、揺れ動いていた時期だったのかもしれません。世間にあまり目が向いていなかった当時の僕にとっては、直接的な影響はなかったかもしれませんが、このように音楽を通じて、間接的にあの時代の匂いは染み付いていたのかもしれません。

なぜか、あの頃のB’zが一番好きです。アルバムで言うなら「RUN」、「The 7th Blues」、ミニアルバム「Friends」、シングル「Blowin’」、「ZERO」、「Don’t Leave Me」、「Motel」あたりです。


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