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他人の恋が許せない女たち

「奇跡/林真理子」

アマゾンで林真理子さんの「奇跡」のレビューを見てみてほしい。
300以上のレビューを読んでみると、低評価を付けた人たちのほぼ全員が怒り狂っている。

・こんなのただの不倫
・どこにでもある男女の取るに足らない話
・何も残らない
・自己陶酔

レビューひとつでなぜこんなに怒って敵意をむき出しにしているのか、私には理解できなかった。

私は映画や小説のレビューを入れる時に、他人のレビューなり感想は一切読まずに入れることにしている。人の感想を先に読んでしまうと、その評価に引っ張られてしまうからだ。

この「奇跡」を読んで、なんと壮絶で美しいラブストーリーだろう、博子さんよくやった、田原さんも頑張った!と拍手を送りたいくらいだった。田原さんの美意識は圧巻だったし、最後まで読めばなぜあの表紙なのか、その意味もよくわかるはずだ。「味方を一人ずつ増やしていけばいい」と言ったという4歳の息子君の言葉も天使のようだ。

だから私の評価は☆5。

それなのにレビューを見ると、怒っている人が多くてビックリした。こんなにも私の意見は世間とズレているのだろうかと唖然ともなった。あまりに低評価が多かったので、高評価を抽出して読んでみると、一人の人が次のように書いていた。

あの感覚を知らない人たちにはわからないのだと思います。

アマゾンレビューより

ああ、そうかも……。誤解を恐れずに書くと、多くの既婚女性は結婚して家庭に入ると恋愛など遥か遠くの話となり、恋などという浮ついたものの存在は忘れてしまうし、恋に落ちる用意も準備も受け入れる体にもなっていないのだと思う。
ちょっと艶っぽい話になると、途端に眉間に皴が寄るのは決まって家庭の主婦に多い。普段は自ら意見を述べることなど皆無でニコニコしているのに、恋愛の話になると「そんなのダメよ」「そこから先に進んではダメ」「友だちでいいじゃないその人とは」と人さまのプライベートに口出ししてくる人が実に多いと私は実はずっと感じていた。

先日、林真理子さんのYoutubeチャンネル「マリコ書房」を見ていたら、「奇跡」をディスる人たちのことを的確に表現していた。さすがである。

恋愛とはリア充の最もたるもの。自分の知らないところで濃厚な人生を送っている人たちがうらやましくて許せないのだろう。

マリコ書房

うらやましいと思うのなら素直に「いいなぁ」「私もやってみたい」と言えばいいところを、なぜ「ただの不倫」「くだらない」「ふしだら」となるのだろうか。そういった人たちの心の闇は深くてやり切れない。同じ女性として残念だ。


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