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【ファンタジー小説】サンダーコレクター17

「てゃんるなー!吉川晃司まじ良かったー!」

ライブから帰ってきたニャックは小躍りをしている。

「でもさ、聞いてよ。ほかのアーティストも一緒の出演してたけど、すごいでしゃばっててさ。なんかねー違うのよね。分かる?あの女なんだったんだろうー。いや、そりゃさ、あの女も有名なひとで俺も好きだけど、やっぱり兄貴単独が良かったなー。あ、兄貴って吉川晃司のことね。一緒は良くないよねー。だって俺、兄貴観に行ったんだし。」

こないだ、バルたんとのハンティングに同行した私にはグサグサくるお言葉だ。
コレクターさんたちにそう思われていたのかな。
「あの女、何?」って。
そう思われていたのなら申し訳ないけれど、どうしようもないので、ニャックには伝えないことにした。

「ペッパーに聞いたけどさー、ルーキーで出るんでしょ?手続きもペッパーがしてくれてたから、今知っちゃったー♡持つべきものは同僚だね☆」

そこのネットワークがあるのね。
ペッパーさんありがとう、おかげでニャックはお休みを満喫できたようです。

「でさー、他の人の見てどうだった?ペッパーの子は、バルたんさんだよね?」

「そうそう。たまたま、オンラインゲームを通して知り合ってさ。サンダーコレクターに登録していることは、口外しちゃいけないっていう制約あったから、ニャックに言えてなかったけど。やっぱりバレるよね。ごめんね、事前に言わなくて。すごかったよ。こうも雰囲気が違うものなんだね。」

思わず早口で返してしまった。
規約違反で何か罰則があったら,怖いと思ったのだ。

「個性でるよねー。まあ、メーターや他人のハンティングをみて、病んで辞めたがるハンターも出てくるからね。ほどほどにね。気になる気持ちは分かるけど。」

お咎めはないようだ。思わずほっとした。

「休み休みも大事だからね。のんびりやっていこう。」

衝動的に辞めたくなる時もあるよなと思った。
楽しんだけど、なんだか辞めたくなるとき。
順調なんだけど、立ち止まりたくなる時。
何か理由をつけたいけど、ただの自分の気分で辞めたくなるのだ。
それは誰のせいでもない。

人は誰かのせいとか、原因を探ったりするけど、燃え尽き症候群だったり、マンネリだったり。

私もいつかそうなるのかな。


「あーそれは感じるよね、実際あたしも辞めるか悩んでるし」

オンラインゲームをしていたら、バルたんに打ち明けられた。

「これから、就職するんだよね。内定出てるし。どうなるか分からないじゃない?」

バルたんは今、大学4年らしい。
時間に余裕があるから、登録したらしい。

そうだよね。
色々な事情があって辞めなくてはいけないこともあるよね。

「女の子はすぐに決めなくてもいいんじゃない?いろんな働き方あるし」

続けたくても、難しいときあるよね。

るな、私は一応働いている。
仕事にも慣れて、サンダーコレクターは副業感覚でしている。

ただなんとなく始めたけど、今は段々と慣れてもっと知りたくなってきた。
今までは圧倒されて、ボケっとしていたけどどうしていけばいいのかや、知りたいことが明確になってきた。

もっと私は知りたいし、関わっていきたい。
上があるのならば、目指したくもなった。

心から頑張ってみて、やり遂げたい。






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