読書メモ 「エンジニアのためのマネジメント入門」

読んだ目的

マネジメント領域の業務が増えてきたが、体系だててマネジメントを学んでいないため、もっと良いやり方を知りたい。

書籍の概要

マネジメントの各領域について、基礎知識を紹介していた。

  • 対話 (コーチングやメンタリングなど)

  • チーム (リーダーシップのタイプや良いチームの条件)

  • 組織 (組織構造と特性)

  • 戦略 (戦略策定と目標管理)

  • 人材 (採用と評価)

  • 技術戦略

  • セルフマネジメント

各章、手短にまとめられており、基礎知識を効率よく得ることができた。自分の明るい分野については物足りなさを感じるものの、戦略策定や人材評価のような、かかわりが薄い分野に関しては学びが多かった。
おそらくは、各分野の入り口として構成された書籍なので、おすすめの次の文献があればよりうれしい。

読書メモ

対話

ティーチングについてはそんなにできていない事項はなかった。
コーチングに関しては、あまり実施機会がない。しかし、自分の欲求を整理するというのは、もっとやるべきだと感じた。GROWモデルにのっとって一度自分でやってみたい。(誰かにつきあってもらう方がより良い)
フィードバックにおいて、客観性の重視、特にYouメッセージを避けるべきだというのは、やりがちなので注意したい。
メンタリングはコーチングの親戚のようなものでは?という印象。会社でもメンターをやってはいるが、目標管理という枠組みでとらえてはいなかった。メンティーとともにロードマップの作成はやっていきたい

1on1については、今あまり活かせていない。ここをもっと活用してコーチングの場などに使っていきたい
会議については、以前から関心がありいくつか書籍を読んでいるため、あまり新規の発見はなかった。パーキングエリアを使うアイディアはもっと採用していきたい。

チームをエンジニアリングする

チームの委譲の発達段階について述べられている。今のところ自分のチームはレベル3「相談する」とレベル4「合意する」が近い。形式的には「合意する」が近いが、発言力の関係でレベル3になっている側面もある。
委譲における3要件「成果」「権限」「評価」のうち、評価に関しては握れていない弱いところである。(これは後述する組織構造において、コンポーネントチームを主軸としている中、うちがフィーチャーチームであるためである)。ここは、評価についてチームメンバーの上司を交えて、目線をあわせる活動の必要性を感じる

チームのフェーズとmanagementスタイルという考え方はおもしろかった。自然とリーダーシップはかわると思うが意識するのはよさそう。わりと詳しい分野では先導型としてふるまってしまっているが、スケールしないのである種の失敗なのだろうなと感じる。

良いチームとは、はGoogle ReWorkの記事はすでに読んでいたが、あらためて見ると実践できていないように感じる。「構造と明確さ」「インパクト」についてもう少し明示していきたい。手始めにチーム紹介スライドを作ってみるのはどうだろう。今のチームは長期ビジョンが欠けているものと、長期ビジョンに共感が十分に得られていないものがある。
モチベーションは、期待、道具性、誘意性に分解できるという分析はおもしろくはあるが、難しいので実用されなさそう。

組織

組織構造の話。事業部制と機能別について述べられていた。自組織の課題について、振り返るのによい話題。最近、機能別組織の課題を感じることが多いので、うまく事業部制の良さをとりいれていきたい。(これとコンポーネントチーム、フィーチャーチームがあまり直交しない概念な気がした)
ヒエラルキーに関する議論は非常によかった。ヒエラルキーがコミュニケーションを減らすという話や、例外マネジメントのためのヒエラルキーという考え方は非常におもしろかった。

できる 限り フラット な 組織 を 作る には、 ヒエラルキー による 例外 マネジメント の 範囲 を 広げる と よい でしょ う。 例外 を 予測 し て 発生 数 を 減らす こと や、 マネージャー の 作業 を 別 の スタッフ が 請け負う など する こと で、 例外 に 割ける リソース( 時間 などの 経営 資源) と 例外 マネジメント の 範囲 は 増え ます。 とは

佐藤 大典. エンジニアのためのマネジメント入門 (p.145). 株式会社技術評論社. Kindle 版.

「組織とシステム」はコンウェイの法則の話。組織をソフトウェアに例えるのもたまにはやって考えを整理してもよいかもしれない。
分業においては、リエゾンとインテグレーションは結構やっているので、そこをメンバーに委譲するのをもっと進めていくべきだと感じた
ステークホルダー調整では、ステークホルダーをチームに引き込むのはもっとやっていきたい。(時間調整が厳しいステークホルダーにどうやってチーム意識を持たせるかが難しいが)

戦略

組織文化の変革の発達段階。いくつかやりたいことはあるが、危機意識を生み出すプロセスをもっと工夫できるように感じた。一応ほとんど紹介された流れ、「危機意識を生み出す」「連帯を生み出す」「ビジョンと戦略をつくる」「ビジョンを周知」「自発を促す」「短期的成果を出す」「成果を活かす」に沿っている。しかし、「自発を促す」「短期的成果を出す」に関して課題が正直ある。「短期的成果」について、手軽にうれしく「上層部にメリットがわかりやすい」ものを仕立てる必要がある。今の成果は現場よりすぎる。
目標によるマネジメントは、メンバーの目標支援という観点が欠けていると感じた。体制上の上司ではないにせよメンバーの目標をヒアリングして、それに寄り添うべきだ短期で目標への進捗をフィードバックするというのも、まず自分にやるべきだろう

人材

採用は正直かかわりがないから話題としてはおもしろかったが実用が遠い。自分がやるときに読み返したい。
評価もタッチできていないが、ここは評価エラーの話題がよかった。対比誤差、自分を基準としてしまうやつはやりそう。

技術と私のマネジメント

技術戦略をかくのはやりたい。テクノロジーロードマップとして、何かたてるとおもしろそう。テクノロジーロードマップのサンプルを探したい。ロードマップを作るプロセスが重要、というのも心にとどめておきたい。
重要でない仕事をするな、は常にそう。

Next Action

太字にした部分を実践していきたい。総じてマネージメントでやっていくという覚悟が薄いので、そのあたりの方針を明確にしたい。
今後調べる分野としては、テクノロジーロードマップあたりがよさそう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?