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絵の題名の付け方に悩む。

「椎の森で」
 森の奥深くに、若い木が生えています。この絵は、以前note内の小展来会企画、“土曜絵画”へ参加して、描いたものです。
 この絵の題名の「椎の森で」の椎は、関東以南のどこにでも生えている照葉樹です。絵の右上の角、葉っぱの先端に黄色く見えるのが、椎の花です。この絵を描いた頃、椎の木々がよく黄色い花をつけていました。家の裏手にも生えていて、「椎の森で」を描く時に、椎の花の形状を観察しました。たまたま「椎の森で」が、自分の中でいい感じだったので、この構図で一枚、改めて描くことにしました。

題名未定 アクリル画

 「椎の森で」だった絵は、テーマとしては繋がってます。ただし、椎の森という設定を無くして描くことにしました。題名は「森の奥で」みたいなのを、漠然と考えてました。

 7月14日に、家族は買い物に出掛けて、家で一人で絵の続きを描いていました。そろそろ仕上げの段階に入りました。ふと、題名が「森の奥で」だと、印象が弱い感じがしました。元々「椎の森で」だったので、その語感の引き続きで「森の奥で」にしていたことに気がつきました。

 しばらくして家族が帰宅。姪が部屋に入るなりアメフトタックルをしてきたので、(最近の姪の流行りムーヴ)とっさに絵を守りました。
 姪は、絵が完成したとおもったらしく、絵の題名を聞いてきました。

雨水 「『森の奥で』にしようか迷ってんだよね」

姪  「『森の奥で』は止めた方がいいよ。『森の奥で』はダメ。」

雨水  「なんかいいのありますか?」

姪   「んー。『光に導かれる木』は?!」 

雨水   「リズムが変じゃない?『光に導かれる木』って言いにくいよ。」

姪    「じゃあ、『光に照らされる木』!!」

雨水   「リズムが同じでしょ!」

 
 結局、絵の題名は決まりませんでした。姪が言うには、絵の主人公は真ん中の木なので、題名に木は入れた方が良いそうです。できれば、光も入れたら良い、と言ってました。

 7月15日も、少しずつ、描いていました。
絵の題名をつけるのに、迷ったことがないので、この機会に【絵の題名】について考えてみました。
 自分は普通、絵を描く前に題名が決まっています。たま~に、描き終わってから、ちょっと題名を変えることもありました。語感やリズムは、必ずしも整ってる必要もないですが、やっぱりパシッとしてる題名の方が、自分は好みです。
7月15日は、1日中考えてしまい、言葉の迷路にはまってしまいました。
絵の主人公の“木”を、題名に入れたとして。
「木に光が差す」「光が木に差す」「光が木に届く」「木に光」「木には光」「光の中の木」
木を題名に入れないとして。
「光は届く」「光が届く」「光が差す」「森の奥に光は届く」

 絵の題名は短い言葉で、絵を表します。けっこう助詞の使い方によって、印象が変わります。

 ちょっと別の角度からの見当をしてみました。まず、日本画風に、「光差森奥若木図」。
これだと、絵のイメージとあわないですね。即却下。

 英語ならありだし、リズムも整えやすいと思いました。
 「the young tree in the rights」
 題名を英語にするのは、これまでもありました。これでいこうか、と思いました。
15日の夕方に、姪がタックル後に、「題名決まった?」と聞いてきました。
 ⬆の英語の題名を言うと、姪の「英語わかんない」の一言で却下になりました。

 姪がメモ帳を持ってきて、案を書き出し始めました。良さそうな案も、いくつか出ました。近いうちには、正式な題名を決めなければなりません。

 抽象画やポップアートは、より【絵の題名】が重要になるように思います。鑑賞者側としての、思うことなんですが、時々題名のワードセンスに驚いたりします。

 エッジのきいた題名で、すごい世界観の絵を見せられて。そのインパクトに「やられた~」となったことがありました。脳裏にバチッバチッとくる感じです。改めて考えると、抽象画においては、題名の効果は大きいと思いました。

 絵のモチーフを直接表現していない題名も、あります。けっこうその方が印象に残ったりします。

 例えば

「メッセージ」


 仮にこの絵の題名が最初から「メッセージ」なら、そういう絵としての印象になります。描かれているのは木ですが、そこから「メッセージ」があるように見えます。


 「孤独」

 「椎の森で」は、上から射し込む光によって、生命を象徴させました。しかし「孤独」にして見ると、上からの光の意味合いも変わって見えます。画面もなおさら暗く見えます。

 

【絵の題名】について考えてみるつもりが、ちょっと遊んでしまいました。

 絵が「ちゃんと題名考えろ」と訴えてるようです。
 
 絵の完成の仕上げは、集中力を要するので、小休止がてらにnote投稿でした。
 

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