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Qの友コー以降が好きすぎるっていう話

どうも、実質、初投稿になるわけですが、ミスチルの話をします。タイトルの通りです。友コーってのは、「友とコーヒーと嘘と胃袋」のことです。

大好きなんですよね、友コー以降。十二月のセントラルパークブルースが終わって、イントロが流れ始めるときの雰囲気の変わり方とか最高なんですよね。まあ、自分がどれぐらい好きなのか話していきたいと思います。

友とコーヒーと嘘と胃袋

まずこの曲ですよね。コーヒーを淹れる音。この時点で前曲から雰囲気がガラッと変わる。中間の語り部分のせいか、ヘンテコ扱いされがちな曲ですけど、自分が特に好きなのが「うまいこと言った、うまいこと言ったぁぁぁぁー」の後の転調後。

そう僕の今年の運勢はとてもいいんだなぁ
下らないB級雑誌に書いてあったけど
信じる事の出来そうな位のかわいい嘘は
なるべく信じてみることにしたんだから

友とコーヒーと嘘と胃袋 / Mr.Children

ここ、桜井さんの思想がガッツリ出てるところじゃないですか?「嘘も飲み込んで自分のエネルギーにしてしまおう」って考え、後の擬態とかイミテーションの木にも通じてますよね。嘘に対しての桜井さんなりの姿勢が垣間見えて好きです。
まあでも、「嘘を自分のものにしてしまう」ってのはどういう感覚なんだろう、って感じなんですけどね。私の感覚の中では十分に理解が追い付いていない部分なので、後々考察したいなあって思ってる箇所でもあります。

ロードムービー

友コーのアウトロが終わって、明朗に声をあげる四分音符二つ。至高ですよね。情景を心情とマッチさせていく桜井節が最高に発揮されてる曲の一つ。

街灯が2秒後の未来を照らし オートバイが走る
等間隔で置かれた 闇を越える快楽に
また少しスピードを上げて
もう1つ次の未来へ

ロードムービー / Mr.Children

ベタなところですけど、ここ凄いですよね。この終盤に至るまで、二人の男女には不穏な気配が漂っていることを匂わせる描写がたくさん出てきて。きっと未来がはっきりと見える状況ではない。そんな中、街灯は僅かながらも未来を照らし、バイクは闇を越えていく。そんな光景に気持ちを重ねることで、少しの安らぎを感じる。詳しい話はいろんなサイトで行われてるので割愛しますけど、この歌詞ホントにすごいですよね。言っちゃえばただの情景描写なのに、感情がありありと浮かんでくる。たぶん桜井さんがツーリングかドライブしてた時に見かけた光景から浮かんだ歌詞なんでしょうけど、感受性えぐすぎるよなぁ…


Everything is made from a dream

”夢”をこういう方向性で歌った曲ってなかなかなくないですか?”Everything”の含意が意外な部分まで及んでいるというか。タイトルをパッとみたときの印象と、聴き終わったときの印象が全然違う曲だなあって思います。

何十万人もの命を一瞬で奪い去った核爆弾や細菌兵器
あれだって最初は 名もない化学者の純粋で
小さな夢から始まっているんじゃないだろうか?
そして今また僕らは 僕らだけの幸福の為に
科学を武器に 生物の命までをもコントロールしようとしている

Everything is made from a dream / Mr.Children

だからって、夢なんか見るんじゃねえ、って結論にはならないんですけど、新たな視点が与えられた時の驚きと、「夢の行方は僕らにかかってんだよ」ってメッセージ性の二つが重なって、印象深い曲になってますよね。これが、「現代はメランコリックでクソだ」っていう趣旨の歌詞だけだったら、チンケな社会風刺ソングに成り下がってますもん。

口笛

純愛の極致だと思ってます。この曲。まず情景描写が完璧ですよね。それと曲のキーの選択とアレンジも完璧。時間帯を示す言葉も季語もないのに、晩秋の夕方の情景が浮かぶのやばいですよね。多分ニ長調以外のキーだったら、ここまで雰囲気出せてないだろうなあ…

さあ 手を繋いで 僕らの現在が途切れない様に
その香り その身体 その全てで僕は生き返る
夢を摘むんで帰る畦道 立ち止まったまま
そしてどんな場面も二人なら笑えますように

口笛 / Mr.Children

二人「なら」笑えますように、って地味にすごい表現だと思ってます。「なら」って部分に、「一人じゃ笑えないかもしれないけれど」って含意があるじゃないですか。これ、二人「で」笑えますようにだったら、ただ、彼女と一緒にいたいねってニュアンスだけで終了だけど、「一人と二人」っていう隠れた対比が存在することで、より「二人」の印象が強まってますよね。日本語ってすごいなあってこの曲聴いてて思いました。


Hallelujah

すっごい不気味なイントロから曲調が戻ってくるときの安心感を共有したい。
んでまあ、愛を綴った曲なんですけど、これ、ただのラブソングってより、プロポーズの曲って感じがするんですよね。私だけですかね?それだけガチ感を覚えるというか。

ある時は僕の存在が 君の無限大の可能性を奪うだろう
例えば理想的な もっと官能的な 恋を見送ったりして
だけどこれだけはずっと承知していてくれ 僕は君を不幸にはしない
生きているその理由を互いに見い出すまで 迷って悩んでつかもう

Hallelujah / Mr.children

僕は世の中を儚気に歌うだけのちっちゃな男じゃなく
太陽が一日中雲に覆われてたって 代わって君に光を射す
優秀に暮らしていこうとするよりも 君らしい不完全さを愛したい
マイナスからプラスへ 座標軸を渡って 無限の希望を
愛を 夢を 奪いに行こう 捕らえに行こう

Hallelujah / Mr.Children

「無限大の可能性を奪う」って、ネガティブだけど正直ですよね。いつもパーフェクトでいれる訳ではない。でも、だからこそ、「僕は君を不幸にはしない」ってド直球メッセージが突き刺さるんでしょうね。「君らしい不完全さを愛したい」ってのも、相手をそのまま受容してる感じで、めちゃいいなって感じです。
これなんですよね。桜井さんって。未来をハッピー100%で描くことはない。その点から言えばネガティブ思考なんでしょうけど、前向きなメッセージを提示してくれる。だからこそ聴いてて感情移入できる、言い換えれば、聴衆に寄り添ってくれる歌なんだろうな、って思ってます。

安らげる場所

落ち着いた曲。Hallelujahで上がったテンションを落ち着かせてアルバムを締めくくるって形、結構好きです。この曲で気になるポイントは、CENTER OF UNIVERSEとの繋がりですね。

皆 憂いを胸に 永い孤独の果てに
安らぎのパーキングエリアを捜してる

CENTER OF UNIVERSE / Mr.Children

孤独とゆう暗い海に ひとつの灯台を築こう
君はただそれを見ていればいい
一番安らげる場所で

安らげる場所 / Mr.Children

「安らぎのパーキングエリア」と「安らげる場所」、対応してますよね。アルバムの最初と最後でこういう対応を見せてくるの、心憎いですね。
それはそうと、「安らげる愛情」っていいですね。もちろん燃え上がるようにドーパミンがドバドバ出る、胸キュンな恋愛も悪くはないんですけど、私としては、一緒にいることで安心できるような、自分の居場所として認識できるような恋愛がいいなーって思ってます。大学生の分際で何言ってんねん、って感じですけど。

最後に

Qってヘンテコな扱いされがちですけど、一曲一曲深く掘り下げたら魅力いっぱいだし、特に後半、友コー以降は充実のラインナップだと思ってます。とりわけロードムービー、口笛、Hallelujahはミスチルの中でも相当上のほうに来る曲じゃないかなあ、とか思ったりしてます。興味ができたらぜひきいてあげてください。長くなっちゃった。


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