見出し画像

川崎の半グレ集団の中に投げ田〜Part1〜

つきあっていた時、投げ田から彼の地元である川崎で飲んでいると連絡があり、夜の23時にも関わらず私は電車に乗って会いに行った。

地方出身の私は川崎が半グレの聖地であることを投げ田と付き合うまで知らなかった。
高速道路で川崎付近を通ると何故かマナーの悪い車が多いな?という認識でしかなかったが、投げ田に案内してもらった地元ツアーおよびコストコの入口では関東圏内にまだこんな人々が、場所があるのだとそのカルチャーには驚いたものだ。

0時頃、地元の友人2人と飲んでいる投げ田と合流した。
投げ田の幼なじみの2人は、来てくれてありがとう、と私に対してとても気を遣って下さる良い方々だった。
ただ、下ネタ混じりの冗談を言い合っては「ハ!ハ!ハ!」と笑い合うその姿は、キングオブコントの地方予選のようで、内心では「私の方が面白いことを言えるのでは」と思いつつ、下ネタが嫌いな投げ田から嫌われたくない故かぶせることも出来ず、死んだ目で愛想笑いを決めていた。

ちなみに、友人の1人は長年ダ○キンの配達のアルバイトで、ある日突然事業所の社員がもぬけの空になるという事態を受け、1人で全ての業務をこなしていたところ、本社からひどく感謝をされ、スーツを着て食事に連れて行かれ、そのまま正社員のみならず事業所の責任者に任命された異色の経歴の持ち主である。
昇給した彼は新築の一軒家を購入し、その家で母と暮らしている。
両親の離婚を経験し、ある時から育った家も引き払われてしまった彼は、みんなが帰れる実家が欲しかったそうだ。

よい時間になり、キングオブコントの地方予選もお開きとなった。
ダ○キンの彼は投げ田に「良いなー!女連れて帰れて。どうせ今からエロいことするんだろ?!」という先程の一軒家のエピソードが霞む別れの挨拶を告げ、夜の街へと消えていった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?