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言葉の流行り廃り

言葉は、流行り廃りの速度が早い。

この前大学生が「バ先」「ワンチ」と言っていて、なんだそれ???と思っていたら「バイト先」「ワンチャン( = もしかしたら可能性がある、の意)」だった。本当にわからない。

言葉は当たり前のようにその当時の文化や時代背景を孕んだものなので、今話されている言葉が数十年後には全く理解されなかったり、あるいは数十年前に使われていた言葉が今だと全く理解されなかったり、ということが起こり得る。これが同じ言語、例えば日本語という言語の枠組みの中で起こるのだからなんだか面白い。

「withコロナ」「ソーシャルディスタンス」も間違いなく時代の流れを含んだ言葉なので、数十年前にこの言葉があっても「何それ???」だろう。

昭和の流行り言葉を調べてみたのだけれど、そもそもの前提の時代背景が違うので今では使われなくなっているものが大半だった。
例えば「アッシー」という言葉は気軽にいつでも声をかけて送り迎えしてもらえる都合の良い人を指す言葉。

時はバブル全盛期、「所有すること」に重きが置かれ「車を持つことがかっこいい、ステータスだ」という価値観が前提に据え置かれている。
翻って現代は、というと、日本全体を見た時にはわからないが少なくとも私の周りにアッシーになっている人はいない。
そもそも車を持っている人がそんなにいない。
都心だから必要がないのか、維持費も高額な車を所有する難易度が高いのか、あるいは車を所有することに魅力を感じていないのか(カーシェアも普及している)は定かではないが、前提として車を所有する人が減った結果、追随して「アッシー」という存在が消え、同時にこの言葉も歴史の遺産となっていったようだ。

今当たり前のように使われている言葉も、数年経てば前提が変わり理解されなくなるかもしれない。
自分が使っている言葉だけにとらわれず、かと言って新しいものにだけ流されすぎず、「今の文化背景がこれだからこの言葉が使われているのね」ときちんとキャッチアップができていたら面白いなと思う。


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