見出し画像

フィンランド映画『ファブリックの女王』をみて

この映画は北欧テキスタイルでおなじみのマリメッコ創始者アルミ・ラティアが、戦後まもないフィンランドから世界に名を馳せるほど有名なテキスタイルブランドへ押し上げたのか、その軌跡をおった映画です。映画といっても普通の映像フィルムではなく劇中劇という手法を使って演じる女優視点からも観ることができ深く考えることができおもしろい映画でした。

マリメッコと聞くとどんなイメージがありますか?!
マリメッコはフィンランドを代表するテキスタイルブランドですが、大胆なデザインカラフルな色使いで日本でも大人気ですよね。
キャッチーでかわいいウニッコ柄は熱烈なコレクターもいます。

我が家もリビングのファブリックパネルはマリメッコのtuuli(フィンランド語で風を意味する)をかけてインテリアを楽しんでいます。しかしこの映画は、北欧デザインのキャッチーでかわいいイメージのまま観ると度肝を抜かれるかもしれません。

↑我が家にある唯一のマリメッコファブリックTUULI(マイヤ・イソラ)1971年デザイン

ヒントは映画の題名「女王」ってついているでしょw

私は北欧の歴史的背景、第二次世界大戦直後の様子を知らずして北欧は語れないと思っています。だからこの映画はおもしろい。可愛くないんですよ北欧って。(いや可愛いけれど可愛いだけじゃないんだなー逞しいんだよなー)

元々はアルミ・ラティアの夫ヴィリヨ・ラティアが買収した業務用オイルプリントの会社がマリメッコの始まりです。彼女の大胆奇抜なアイデアで綿のファブリックに新しい柄をプリントすることを思いつきます。そこからは無鉄砲なほど積極的に彼女は挑戦していきます。舞台は今の女性が働きやすいジャンダーギャップが少ないフィンランドではありません。第二次世界大戦で敗れた当時のフィンランド、思い浮かべてください。その中で女性が男性と同等にものを言い働くにはどれだけのエネルギーが必要なことだったでしょうか。また群衆も斬新で大胆なマリメッコのプリントに希望を重ねてみていたのかも知れません・・・。

この映画の中でファッションショーのシーンで観るファブリックの美しいこと!一枚の布をモデルの体に巻きつけて見せるシーンはポップでキュートなマリメッコらしさが表現されていて私ももしこの会場にいたら絶対虜になっていただろうと思うほどでした。あぁマリメッコやっぱり好きだな。思わず店頭に走りたくなるw


とにかくこの映画ではぜひ当時のフィンランドの厳しさ、過酷な現状、そこから一人の女性が何を大事にしてのし上がっていったのか見て欲しいです。

事細かに書くとネタバレしちゃうのでかけませんが、アルミ・ラティアのライフスタイルへのこだわり、誰かのためでなく自分のためにという哲学、などはこの時代の女性だけでなく現在も受け継がれており、創業70年あまりたつ今でもデザインが衰えず人気なのは、アルミの哲学、モノづくりの背景に従業員も買い手も共感できるからじゃないのかなあと思います。

商品を購入する時、クオリティやデザインが大事ですが私はモノづくりの背景、ストーリーを知ることでもっと愛着が深くなると思っています。そしてサステイナブルな暮らしを送る上で私たち消費者はモノの背景を深く考えて購入する時代になってきているとこの映画を通してますます感じました。



この記事が参加している募集

#おうち時間を工夫で楽しく

95,426件

サポートしていただくのは大変嬉しいです^ ^ この記事をシェアしていただくとものすごくハッピーになれます!ありがとうございます♡