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Buddies同士の対立、何が起こったのか?③本題


①では、この記事を書くことになった経緯を
②では、システム思考というこの出来事を観察する上でのツールの紹介を
それぞれしました。

さて、これからが本題です。
題材の内容のみ気になる方は、この章だけ読んでいただけたらと思います。

システム思考では観察に「ループ図」というツールを用います。
なので今回の出来事におけるループ図を作成してみました(下図)

なぜ個々人が最高のライブ体験をしたいと思っているにも関わらず、Buddies同士で対立してしまうのか?

このループ図というのは、課題と感じている出来事がなぜ起こったかを時系列を含めて説明するツールになります。ここでは物事のつながりを表すループひとつひとつに名前を付け、それをなるべく初めての人でも理解していただけるように、起こった事象を順を追って説明していきます。
(RやB、OやSなどは専門的な内容になりますので今回は説明を省きます)

R1:All Buddiesの一体感ループ(Aの歓喜がBのロイヤリティを高め、Bの歓喜がAのロイヤリティを高める)
まず「over ture」が流れ、会場は一気に盛り上がりを見せます。(脱線しますけど櫻坂46のover tureいいですよね。僕も大切な仕事に臨むときに聴いてます。)そこから次々と櫻坂46の楽曲が連発で披露されBuddiesAもBuddiesBも、彼女たちに魅せられていきます。そして、そのひとりひとりの歓喜が一体感を生み互いのロイヤリティがどんどん高まっていきます。そしてアンコール。欅坂46時代の楽曲を期待した会場はBuddiesBを筆頭に緑のペンライトで染まっていきます。

B2:櫻坂46を守るループ
ところがあるアンコール(欅楽曲)披露中にメンバーの表情が曇っているのを見たり、披露後にメンバーの泣き叫ぶような声を聴いたBuddiesAはlive終了後に、「彼女たちは櫻坂46としての今を観てほしいのに欅坂カラーで待機するのはどうなの?(これは僕の身の回りでの発言を僕なりにまとめた解釈です)」とTwitter上でBuddiesBの言動(主にペンライト緑待機)に警鐘を鳴らします。そしてそれに賛同する人も声を上げBuddiesA間で結束が強まっていきます。「やっぱり今の彼女達が(櫻坂46)最高だ。今回のliveもよかった」というムードも同時に高まります。

B3:欅坂46に対する期待ループ
一方BuddiesBはその警鐘を受けて、自身の行動の正当性を主張していきます。中には「櫻坂になってから・・・」みたいな意見も散見されました。そういう欅時代のliveと櫻時代のliveでの経験の比較によって、より欅坂46に対する執着が高まっていきます。また、こちらも同様の関心を持ったBuddiesB間で結束が高まっていきます。

R4:こうしてAとBが互いに互いの関心や言動を正当化しあい、Buddiesの分断と対立がどんどん深まっていきます。結果的に一体感は減少していきました。

R5:メンバーの哀しみ増幅ループ
結果的にメンバーは自身が表現したことがきっかけとなって、Buddeisの分断や対立が起こってしまったと感じ、哀しみがより深まってしまいました。

これが起こったことを正確に表現しているかどうかはわかりません。
ただこれを読んでくださっている方が「ここは違う」と感じて下さったのであれば、ぜひとも「あなた」をこのループ図の中に加えて観察していただきたいのです。
 もちろんこのループ図が正確だとも思っていません。例えば今回Twitter上で「運営」にその責任を問う声が多く見られたので、あえてseed&flowerさん(運営サイド)はループ図に入れませんでした。あえて描き加えるとすれば「セットリスト構成による欅坂楽曲に対する煽りや焦らし」や、大きくさかのぼれば「”欅坂を超えろ”というキャッチフレーズから感じる”対欅感”」などがあげられるかもしれませんね。
 ただ、より大切なのは要素ではなく構造です。このループ図の構造は「敵対するつもりの無かった者同士が、互いの部分的な最適を実施したことで、結果的に対立と分断を生んでしまった」というものです。他のファンを傷つける事を目的としてliveに参加している人など誰もいなかったはずですし、ましてや運営やメンバーもそんなことは望んでいなかったはずです。この構造が理解していただけたのなら、誰かの行った部分最適を批判しても、各々に正当性があるので効果がないことがわかるのではないでしょうか?

さらに加えて構造よりも大切な部分がまだあります。それはシステム思考では「メンタル・モデル」と呼ばれる利害関係者の「前提や思い込み」といったものです。
今回で言えばBuddiesAは、「メンバーの表情や言動」を「ペンライトの色」に依拠させてBuddiesBへ継承を鳴らすという行動に出ましたが、これは「メンバーは櫻坂46として認めてほしがっている」という前提によるものです。しかし、過去にメンバーからそのような発言があったとしても「この時の表情や言動がそれを表していた」という確証はありません。
 逆にBuddiesBにおいても、「持っている情報が新しいほうが上」「持っている情報が多いほうが上」「グッズをたくさん持っているほうが上」「フォロワーが多いほうが上」という前提があった場合、「誰よりも先に欅曲が来ることを把握している」というランクの高さを得るためにペンライトを緑色に点灯させたのかもしれません。しかしBuddiesBはその隠された前提に気付かずに「ペンライトで曲を迎え入れるのがあるべき姿だろう」や「久しぶりなんだから、緑で待機するのは自然だろう」と正当化していたかもしれません。

しかし、こういった「前提」や「思い込み」というのは、自分自身で気づかないことが多く、それぞれの自身の言動がどのようなデータに基づき、どのような解釈によって行われたのか?を内省してみなければ、わからないことがほとんどです。

ではどのように内省すればよいのでしょうか?
それを最終章④にてお伝えしようと思います。

④に続く https://note.com/lafstyle/n/n57beceff4f7e


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