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『Hej! Laere vol.12』:人間らしく働く職場や仕組みをデザインするには?(2021年11月配信)

本ニュースレターは、11月17日に配信しています。

社員の魅力がはじけていく、Laere流チェックイン


昨年から続くパンデミックの影響からリモートワークが定着し、オンラインでのチームビルディングの重要性が増しています。弊社レアでも、基本は在宅勤務、毎週火曜日のみ集まれるスタッフがオフィスに出社しています。現在インターンも含め9名が働いているレアですが、毎週火曜日に行われる週次ミーティングは、半分のスタッフがオンラインで参加し、ハイブリッド型で行っています。

今までは当たり前に行っていたオフラインでのコミュニケーションの機会が減るにつれ、弊社でも「どのようにオンラインのコミュニケーションを活性化するか」、「どのようにデジタルツールを活用しお互いをサポートし合えるか」と、試行錯誤してきました。

今月は以前、ニュースレターでもご紹介したチェックイン・チェックアウトを活用した新たな試みを、実践レポート形式でお届けします。チェックイン・チェックアウトは、ミーティングなどの話し合いの場で、始めと終わりに参加者が自分の気持ちや考えを共有する儀式です。レアではミーティングの最初と最後に「問い」を決め、その問い対して一人ずつ考えを共有しています。

レアでは、企業理念でもある「学び教える」という文化を大切にし、お互いに学び教える関係性を継続させるために、毎週のチェックインで「魅力スパーク大作戦」という試みを2ヶ月半にわたって行いました。魅力スパーク大作戦では、週替わりで魅力をスパークさせるスタッフをひとり決め、問いのかわりにそのスタッフの素敵なところ、魅力を伝えていきます。既に相互フィードバックを導入している企業も多いかと思います。弊社のユニークな部分は、改善点ではなく、とにかくその人の良いところを様々な角度から伝えていく、ポジティブなアプローチを取っていることです。全員がチェックインとして魅力を伝えた後に、そのコメントを受け取ったスタッフ本人から感想をもらいます。大人になるにつれ、面と向かって自分の魅力を他者から伝えてもらう機会はなかなか多くないと思いますが、弊社のスタッフも恥ずかしさと喜びの両方を感じながら、今までは気づかなかった自身の魅力に気づくことができたと声が挙がっています。

魅力スパーク大作戦の試みを2ヶ月半行って気づいたことは、朝一番のミーティングで誰かの素敵なことを伝える習慣ができると、温かな明るいエネルギーを感じながら気持ちよく仕事をスタートできることです。それだけでなく、チームメンバーの素敵なところが目につきやすくなりました。また、普段から業務でなかなか関わることが少ないスタッフに対しても、繋がりを感じることができるようになり、チームとしてお互いを心理的に支えることができる環境が少しずつ整っていると感じます。

皆さんも、同僚の素敵な魅力を伝える習慣をチームで持ってみてはいかがでしょうか。

弊社レアではオンラインチームビルディングをはじめ、社内のウェルビーイングを向上し、働きやすい会社づくりを目的としたプログラムも行っております。詳細はこちらからご覧ください。

Voice from Denmark

今月の『Voice from Denmark』では、坂本舞さんにメンタルヘルスをテーマに、国連の世界幸福度ランキング上位のデンマークが直面する社会課題について教えていただきました。

以前 Voice from Denamrkではウェルビーイングの記事を配信し、コロナ禍におけるデンマーク人のウェルビーイングの変化をお伝えしました。私たちが学ぶことが多いデンマークもけっしてユートピアではなく、もちろん課題に直面している部分もあります。デンマーク社会が抱える「メンタルヘルス」の問題について、現地で暮らす生活者の視点でお伝えします。

幸福の国デンマークにおけるメンタルヘルスの問題

Hej! Laereコペンハーゲンパートナーの坂本舞です。
デンマークは幸福度ランキングで連年トップにあがる国ですが、同時に人々のメンタルヘルスの問題が顕著な国でもあります。

デンマークの健康省によると、2020年には、デンマークの人口の約14%が抗うつ薬の処方を受けたそうです。※1また、2017年の調査では、高度のストレスを抱えて暮らす人は人口の25%にも及ぶと記されています。※2

これは大人に限らず子ども・若者世代も抱える問題で、子どもの約15%は18歳を迎える前にADHD・不安障害・うつ病などの精神疾患の診断、治療を受けています。※3 また、国立公衆衛生研究所のレポートによると、コロナ禍でデンマーク人の5人に1人のメンタルヘルスがさらに悪化したと報告されています。※4

私の周りにもうつやADHDを抱えながら暮らす友人がおり、デンマーク人にとってメンタルヘルスの問題が身近であることを実感します。しかし、デンマークではメンタルヘルスの問題を抱える人を偏見の目でみたり、変に特別扱いすることはほとんどありません。精神疾患をタブー視せず、周囲に対しオープンに共有することで、迅速な診断と治療を可能にしています。

また、幼少時から自分と向き合うことを習慣化している人は、自分のメンタルヘルスの不調や変化に気づきやすい傾向にあるように感じています。上記に記した数値が高いのは、自身と向き合い、状況を開示できる人が多いことも影響しているのかもしれません。

しかし、社会の一定数以上の人がメンタルヘルスに何らかの不調をきたしている状況では、当人やその周りだけの問題として捉えるのではなく、社会全体で「人間的でない仕組み」を見直す必要があるでしょう。デンマークのいくつかの自治体ではADHDや精神発達障害を持つ若者に対する学習支援を行う、といった支援がありますが、今後公的・民間の支援が今後増えていくことを期待しています。

※1 https://sundhedsdatastyrelsen.dk/da/nyheder/2021/antidepressiva2020_260321
※ 2 https://www.sst.dk/da/viden/mental-sundhed/stress/tal-og-fakta
※ 3 https://www.sst.dk/da/Viden/Mental-sundhed/Mental-sundhed-blandt-boern-og-unge/Tal-og- fakta
※4 https://videnskab.dk/krop-sundhed/studie-hver-femte-dansker-har-faaet-daarligere-mental- sundhed-under-covid-19-pandemien

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『Hej ! Laere』は、毎月届く、株式会社Laere(レア)からのお便りです。レアの最新情報やレアで話題になっている北欧トピックについて、皆様にこっそりお届けしていきます。”Hej(ヘイ)”はデンマーク語の「こんにちは」で、”Hej Hej(ハイハイ)”とふたつ重ねると「バイバイ」という意味になります。

またお会いしましょう!Hej Hej 👋

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