Hej! Laere vol.29 新年度、あらたな仲間と出会う 〜 レア新年度対話会レポート
「ライフ・アドベンチャー」で職場メンバーの知られざる歴史を共有する
4月上旬、表参道のレアオフィスにて新年度の対話会を開催しました。対話会では、弊社が企画運営するプログラムでも取り入れている自己探求ツール『ライフ・アドベンチャー』を使って、お互いに誕生から現在までのストーリーを共有。
どのようなライフイベントが起こり、事実をどのように解釈し、向き合ってきたか。人となりを形づくった重要なイベントを振り返ることで、行動・態度の源泉となっている価値観を探りました。
短時間でお互いの人生の転換点を共有することができ、新たな人間関係を築く助けとなりました。これまで長く一緒に働いているメンバーでさえも「そんな一面があったなんて!」「その経験があって、今のあなたがいるのね…」といったコメントが。メンバーの新たな一面に驚きと発見がありました。
人間の多面性や深淵に触れるのは、たいへん興味深いものです。このように、レアでは新しい期の始まりには自己・他者理解の機会をもつカルチャーを大切にしています。
弊社では4月から新しく長谷浩美(はせ・ひろみ)さんをメンバーに迎え、新体制となりました。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
Voice from Finland
Terve!(こんにちは!)フィンランドのアアルト大学に留学しているえりかです。
前回のニュースレターでは、私が在籍している修士課程CoID(Collaborative and Industrial Design)について紹介させていただきました。今回は、今年の1月から受講しているアート系選択授業「TAITE」の「Drawing and Painting」について、ゆるりとお話しさせてください。
アート系選択授業「TAITE」
CoIDのプログラムは、必修科目60単位、修士論文30単位、選択科目30単位の計120単位で構成されています。選択科目では、他のプログラムや他大学の授業、副専攻でのプロジェクト、交換留学プログラム、国内外でのインターンシップやコンペティションなど、とにかく「自由!」に、30単位をカスタマイズすることができます。
選択科目のひとつとして、デザイン・アート・建築の学生から非常に人気が高いのが「Transdisciplinary Arts Studies(学際的な芸術研究)」、通称「TAITE」です。TAITEでは、絵画やコミックアート、彫刻、版画、美術史、現代美術、色と知覚など、理論と実践を組み合わせた様々なコースが開講されています。
留学前からTAITEに興味があった私は、あれも受けたい、これも受けたい!と期待に胸を膨らませていたのですが、ここには悲しい現実が…。主なコースは少人数で構成されるため、受講を希望しても抽選に漏れて落選するケースがとても多いのです(20人の生徒枠に、100人以上の希望者が集まることも!)。
私も何通も「お祈りメール」を受け取りましたが、今年の1月から4月まで、運よく「Drawing and Painting」を受講することができたので、今回はこちらの授業を紹介したいと思います。
念願の受講「Drawing and Painting」
「Drawing and Painting」は、アクリル絵の具を使った創作活動を通して、「自分らしい表現」を追求する実践型授業です。コースには、私のようなデザイン学科の院生だけでなく、建築学科の学部生、アート教育専攻のヘルシンキ大学の学生、アーティスト志望の学生など、専門分野も興味も異なる学生20人が集まっており、週に一回朝から夕方まで、同じ空間で創作活動に取り組みます。
担当教授は、フィンランド人のビジュアルアーティスト Tiina Heiska。色や形、光などの絵画表現に焦点を当てたテーマを与えられ、その日中に一つの作品を完成させる、というのが一日の授業の流れです。過去に出た課題は、「色彩調和に基づいた抽象的な自画像」「コラージュ技法を用いた自己世界の表現」「静止画の中に躍動感を生み出す」などなど。Tiinaは学生の作品に対して否定的なことは一切言わないので、常に自由であたたかい雰囲気の中で授業が行われています。
「好き」と向き合うウェルビーイングな時間
グラフィックデザイナーの私にとって、この授業は「視覚表現の幅を広げるヒント」をもらえる、とてもワクワクする時間です。同じ課題に取り組んでいても、それぞれ解釈の仕方や表現方法が全く異なるので、クラスメイトの作品を盗み見したり、お互いの作品について話し合ったりすることも、授業の楽しみ方のひとつです。
そして私個人にとっては、自分の「好き」と向き合う貴重な時間でもあります。講義やリーディング、エッセイ、グループワークにディスカッション…。情報過多気味な生活で凝り固まった脳が、感覚を研ぎ澄ます純粋な創作活動によって、じんわりとほぐされているのを感じます。「自分らしさを深めること」「心地の良い精神状態をキープすること」の大切さを、この授業から学んでいる気がします。
「Drawing and Painting」の授業は、残念ながら4月で終わってしまいますが、これからも自分の「好き」に目を向けて、私なりのウェルビーイングなくらしを探していきたいと思います。
それでは、Nähdään!(また会いましょう!)
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