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体と薬と健康と・・・第4話 生理痛

健康コラム『読み物サプリ』。
第4回目は生理痛のお話しです。
少しでも「生理痛」で悩まれている方の参考になればと思います。

生理のキホンのお話し

「生理(月経)」はなぜ起こる?

まず、生理(月経)の起こるしくみですが、大きく関係するのが「子宮」の中につくられる「子宮内膜」。
子宮内膜は、「赤ちゃんを育てるベッド」に例えられます。
そのため、「子宮内膜」は、妊娠しなかった場合、剥がれて血液と一緒に体の外に出されます。
妊娠しなかったので使わないベッドをお掃除するようなイメージでしょうか。

この「ベッドメーキング」と「ベッドのお掃除」のサイクルは、だいたい28日周期で繰り返されています。
この「ベッドのお掃除」のときが、「生理(月経)」ということです。

なんで痛くなる?

「生理痛」は生理の直前から生理中にかけて、”子宮が収縮するため”に起こる「下腹部痛」や「腰の痛み」などをいいます。
それ以外にも、「頭痛」「胃痛」「吐き気」「めまい」「腸の痛み」「下痢」などを伴うこともありますね。

生理の際は、剥がれ落ちた「子宮内膜」を、子宮を収縮させることで血液と共に「経血」として体の外へ押し出します。その際、「プロスタグランジン」という物質が生成されるのですが、このプロスタグランジンが子宮を収縮させる役割を果たしているのです。

プロスタグランジンが過剰に生成されてしまうと、子宮の収縮が過剰になり、陣痛のような、下腹部や腰の痛みを引き起します。
この痛みは、個人によってかなり程度に差があり悩ましい症状です。

「プロスタグランジン」という物質は、頭痛・のどの痛み・打撲・やけど等、様々な”痛み”を増強させる物質でもあります。
そのため「生理痛」を鎮めるために速効性のある方法は、このプロスタグランジンの発生を抑えるように働く医薬品成分を服用することです。これについては後ほどお話ししますね。
ちなみに「生理痛」の痛みは50%以上の女性が、1日目に生理痛を感じ、3日目まで感じる方は40%以上いるというデータがあります。最初の3日間に多くの女性が痛みや辛さを感じています。
注意しないといけないのは、出血日数が9日以上続くような場合です。当てはまる方は一度婦人科を受診した方がいいでしょう。

生理痛の対処法

「生理痛」に適した医薬品

先ほど少し触れましたが、「プロスタグランジン」の発生を抑える成分(もちろん完全に抑えることは出来ませんが)に「イブプロフェン」という成分があります。
”炎症を鎮め、痛みを鎮める”成分ですので、この成分が入った鎮痛剤を服用するといいでしょう。
しかもこの「イブプロフェン」は、子宮への移行性が高いので、他の鎮痛成分よりも生理痛にはおすすめです。
また、生理痛で
下腹部が締め付けられるように痛い、痙攣するように痛い
という場合には、痙攣を鎮めるようにはたらく成分:「ブチルスコポラミン臭化物」という成分が「イブプロフェン」と一緒に配合された医薬品もあるので、こちらを使ってみるのもいいでしょう。

代表的なイブプロフェン製剤の一例

医薬品以外の対処法

生理痛で一番よくないのは、体が冷えること
体が冷えると血液の循環が悪くなり、痛みの元となる「プロスタグランジン」が骨盤内で滞ってしまうので、痛みが強くなります。
しかも生理が始まると、体温は生理前より下がります。

[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト より

その上、プロスタグランジンの働きで血管が収縮するので、血行は悪くなり、体はさらに冷えやすい状態になります。
冬場の寒さや、夏場のエアコンによる下半身の冷えは生理痛をひどくします。下腹部や腰を冷やさないよう、ひざ掛けを使ったり、使い捨てカイロを貼ったりして温めるようにしてください。

「生理中」に気を付ける「食べ物」

体を冷やす食べ物や飲料は控えるべきです。
詳しくは管理栄養士の先生に聞くのが一番いいのですが、ここでは一般的なものを注意しましょう。

実は、食べ物や飲料に含まれる成分に「チラミン」という成分があります。
この成分は、血管や子宮を収縮させるはたらきをもっているので、摂りすぎると生理痛をひどくしてしまうことがあります。
「チラミン」を多く含むものには、「赤ワイン」「チーズ」「チョコレート」「コーヒー」などがあり、「チーズ:Cheese」「チョコレート:Chocolate」「コーヒー:Coffee」の3つは”生理中は控える3C”と言われています。
ちなみにこの「チラミン」は、「片頭痛」を誘発する成分としても知られているので、「生理痛」や「片頭痛」で辛い思いをされている方は、特に注意するといいと思います。
逆に「ココア」は、含まれる「ポリフェノール」という成分が血管を拡張させる効果があるといわれているので、温めて飲むといいでしょう。

生理痛に適した漢方薬

今回は一般的な「漢方薬」を3種類ご紹介しようと思います。

▶比較的体力がある方で、のぼせて足が冷える方の生理痛や生理に伴うイライラにいい漢方薬です。
桂枝茯苓丸:けいしぶくりょうがん

▶体力は中等度以上の方で、のぼせて便秘がちな方の生理痛や、生理時に精神不安を感じる方にいい漢方薬です。
桃核承気湯:とうかくじょうきとう

▶体力虚弱な方で、冷え性で貧血の傾向があって疲労しやすく、ときに下腹部痛や頭重などのある方の生理痛にいい漢方薬です。
当帰芍薬散:とうきしゃくやくさん

新薬はちょっと苦手という方は、試してみてもいいのではないでしょうか。


いかがでしたでしょうか?
今回は「生理痛」をテーマにお話しさせていただきました。
この中で紹介した医薬品成分の「イブプロフェン」は、鎮痛剤としてはポピュラーな成分ですが、”15歳未満の方は使用できません”。
15才未満の方の「生理痛」のお薬に関しては別の成分となります。詳しくは、ドラッグストアの店頭で薬剤師の方や、登録販売者の方にご相談くださいね

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