見出し画像

体と薬と健康と・・・第1話 花粉症

レデイ薬局の薬剤師による健康コラム
『読み物サプリ』。

第1回目は花粉症のお話です。
シーズンですねっ(´;ω;`)

「花粉症」って?

だれでも一度は耳にしたことがある花粉症。
”花粉によるアレルギー症状”を指し、
症状は主に「鼻」と「目」にあらわれます(のどや皮フから症状が出る場合も)。

鼻症状では、水のような鼻みずが流れるように出て、
ティッシュペーパーが手放せない「鼻みず」や
繰り返す「くしゃみ」。
そして鼻がつまって口で呼吸することが多くなる
「鼻づまり」があります。

また目症状では、目を取り出して洗いたくなるような
強烈な「目のかゆみ」を中心に、
白目の部分が赤くなる「目の充血」や
「涙がたくさん出る」といった症状が起こります。

このように花粉症になると
「くしゃみ」「鼻みず」「鼻づまり」の鼻の3大症状と、
「目のかゆみ」「目の充血」「なみだ」の目の3大症状が
現れてくるので、
温かくなりウキウキするはずの春先を
憂鬱にさせてしまうのです。。。。。

花粉症の症状が発生する時期は?

花粉症を引き起こす花粉は、
日本ではおよそ60種類以上ともいわれています。
スギやヒノキなどの樹木から出る花粉だけでなく、
草花から飛散する花粉も含まれるからです。

また日本は南北に長い地形をしているので、
地域や季節によって飛散する花粉の種類が異なります。
例えば中四国地方で花粉症を引き起こす
「スギ」「ヒノキ」の花粉が最も飛散するのは
2月~4月の3ヶ月です。
「ブタクサ」などのように
夏の後半から秋にかけて飛散する花粉もあります。
ただし、これらはあくまでも中四国地方の話で、
関東や東北の方になると時期がずれてきます。

もちろん人によって、
原因となる花粉の種類も様々なので、
まずは自分自身がどの花粉に敏感に反応して
アレルギー症状を引き起こすのか、
知っておくことが大切ですね。

その上でその花粉が飛散する時期は、
花粉対策を心がけるとよいでしょう。

注意すべきこと

花粉症の症状はつらいものです。
その症状を少しでもやわらげるには、
やはり可能な限り、「花粉」を体内に入れないことです。

花粉の体内への侵入のほとんどは
「鼻」と「口」からなので、
その2か所からの侵入を防ぐことを心がけましょう。
「花粉症対策マスク」の着用です。

もちろん完全ではありませんが、
70~80%程度、花粉の侵入を防ぐことができるようです。
「マスク」に関しては  

  • 花粉のカット率の高いもので、自分の顔のサイズに合ったマスクを選ぶ

  • ノーズクリップの形をしっかり鼻にフィットさせ、顔とマスクとの間の隙間を極力作らないようにする

  • 鼻から顎まで、しっかり隠れるように装着する

このようなことに気を付けて着用しましょう。

またこれに加えて、
花粉は粘膜に付着して侵入してくるので、
それを取り除くことも重要です。

▶目から花粉を除くには、しっかり”洗眼”
 ドラッグストアには花粉を洗い流す、
 洗眼用の商品があるので活用してみてください。
 また、外出先で手軽に使用できる、
 目薬タイプのものもあります。

▶鼻の粘膜の洗浄には”鼻うがい”
 鼻うがいは、鼻の鼻腔から洗浄液を流し込み、
 鼻から出すものや、うがいも兼ねて口から出すものもあります。
 これらは、鼻が痛くないように
 体液と同じような液体にしているものが
 ほとんどなので、外出先から帰った際などに
 上手く利用してください。

すっきりするタイプやマイルドタイプもある

症状を抑えるには~医薬品の使用~

花粉症のつらい症状を緩和・改善するには大きく分けて、
「内服薬」と「外用薬」の2種類があります。
内服薬は「第1世代」と呼ばれる鼻炎内服薬と、
”抗アレルギー作用”も併せ持つ「第2世代」と呼ばれるものがあります。

薬ごとに特徴がある

第1世代の鼻炎用内服薬は
症状を抑える効果はとても高いのですが、
眠気や口渇などの副作用が現れるのがマイナスです。
そのためこの第1世代の鼻炎内服薬の服用後は、
車の運転や機械類の運転操作は出来ないので注意しましょう。

車の運転や仕事、勉強などで眠くなっては困る人におススメなのが
第2世代の鼻炎内服薬です。
この第2世代の大きな特徴は
眠気等の副作用が少なく、
服用後のクルマの運転などが出来るものがあることです。
それに加えて”抗アレルギー作用”も併せ持っているので、
花粉の飛び始める1~2週間前から服用すると効果的です。

商品例

これに対して外用薬は、
鼻に直接噴霧する「点鼻薬」と、
目に点眼する「点眼薬」があります。

点鼻薬は、鼻に直接噴霧するので
”速効性”がありますが、
使い過ぎはかえって症状を悪化させることもあるので注意が必要です。
また鼻づまりがひどい際には、
持続型の鼻づまり専用の点鼻薬もあるので
知っておくといいでしょう。

商品例

次に、目のかゆみや充血などに対しては
直接目に点眼する「目薬」が有効です。
目のかゆみを鎮める成分や、
充血を取る成分等を配合しているので効果的です。

これら内服薬や外用薬を、
症状や使用するシーンに合わせて
上手く使用することが大切です。

その際に年齢制限や、
持病・通院の有無などにより
使用できない方々もいらっしゃいますので注意が必要です。
特に、妊娠している方や妊娠の可能性のある方は注意してください。

医薬品以外で花粉症に良いもの

花粉症は、体の”免疫反応”の異常によって引き起こされます。
そのため免疫機能が正常に働くように、
普段の食事から気を付けましょう。

実は体の免疫の60%以上が「腸」にあるといわれています。
食事やサプリメント、または医薬品等で、
腸内環境を整えることが大切です。

ヨーグルトやチーズ、味噌などの発酵食品は、
善玉菌の補給に繋がり、
結果的に腸内環境を整えることにつながります。
毎日の食事で、これらを摂るのが難しいようであれば、
医薬品やサプリメントなどで
「乳酸菌」「ビフィズス菌」「酪酸菌」などを摂るといいですね。
特に酪酸菌はおすすめの善玉菌です。

また、善玉菌を摂る際には
「水溶性の食物繊維」を一緒に摂ると、
さらに腸内環境を整えることにつながります。
今では、みそ汁やスープ、お茶などにすぐに溶けて、
食べ物の味も変えずに手軽に摂れるものもあるので、
上手く活用するといいでしょう。

日常生活でも注意しよう

お酒を飲むと体の中でアルコールが分解されますが、
その時に産生される物質は
アレルギー症状を引き起こす物質の発生を促す
はたらきを持っているので
症状が悪化してしまいます。
またアルコール自体が、
血管を拡張させるはたらきをもっているので
鼻の粘膜のむくみや毛細血管の拡張を引き起こし、
鼻づまりがひどくなることにも繋がります。
花粉症の時期は、飲酒を控えることをおすすめします。

喫煙も同様です。
タバコの煙は、鼻の粘膜を刺激するので、
鼻の症状を悪化させるからです。
飲酒も喫煙も嗜好品ですが
花粉症の症状を悪化させる要因になるので、
花粉の飛散が収まるまでは控えたほうがいいでしょう。


「花粉症」は一生かからずにすむ方もいらっしゃれば、
突然かかってしまう方もいらっしゃいます。
また一度発症すると、完治するのは難しいともいわれています。

花粉症にかかってしまったら、花粉情報を参考に、
花粉の飛散する前から「第2世代の鼻炎内服薬」を使用したり
花粉をカットする効果の高い「マスク」を着用、
「うがい」「洗眼」「鼻洗浄」などをしながら
上手く対応していきましょう。

対処方法に悩んだら、薬剤師や登録販売者に
お気軽に相談してください。

お薬の種類まとめ


「読み物サプリ」担当の薬剤師はこちら▼


記事が参考になった!面白かった!という方は
スキ💛を押していただけると、記者の励みになります。
(すでに押していただいた方はありがとうございます)

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

最後までお読みいただき感謝!Twitterではnoteの更新やレデイの最新情報をお知らせしています。