play room第5期終了報告①
こんにちは。
play room主宰の野村です。
先日、play room第5期が無事に全カリキュラム終了することが出来ました。
ご参加いただいた皆さん、講師の黒澤世莉さん、アシスタント・過去の参加者の皆さん、そしてご支援いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
最終回はクローズドで発表会を行いましたが、個々人にさまざまチャレンジがあり、とても有意義な時間だったと感じました。
第5期としては以上になりますが、こういった場や人とのつながりを大事にしていきたいので、今後も活動が出来るよう考えていきたいと思います。
もしかしたら今後、徐々に形は変わってしまう部分もあるかもしれませんが、
俳優が安心してチャレンジが出来る場というのは、今後も絶対に必要だと感じております。
何をもって安全・安心とするかは個々人によって異なるとは思いますが、
個人的には、
・俳優が失敗を恐れず、意欲的にチャレンジ出来る場
・精神的、肉体的な安全性を獲得しようと努力をし続けている場
であると考えております。
多くの俳優が、演劇・創作の場で活き活きと活動できるよう今後も考えていきたいと思います。
今後とも何卒よろしくお願いします。
最後に、今回ご参加いただいた方々にplay room第5期に参加してみてどうだったか、感想をお聞きしました。
とても読み応えある内容で、単純に読み物としても面白いと思いますので、もしよろしければ読んでみてください!
(*希望者のみ。匿名希望の方もいらっしゃいます)
文量がかなりあるため、前編と後編に分けております!
こるむさん
4期では自分の中に何かエネルギーがあるらしいが、正体がわからず、しかも基礎しか参加出来なかったこともあり、悔しいまま終わりました。
なので今回の5期は昨年のリベンジの気持ちで挑戦しました。
目標はエネルギーの正体を突き止め、使いこなせるようになること、台詞を言っても相手に届いている感覚がいまいちだったので「伝えられる」ようになることでした。
結果、欲しかった以上のものを手に入れることができました。
高尾山を登っていたつもりが、気づいたら富士山の頂上に立っているような感じです。
リラクゼーションで自分の身体に集中して向き合って、リピテーションで勇気を持って相手に言ってみる、失敗も沢山ありましたが諦めずに、こだわってチャレンジしたことが全て今の結果に繋がりました。
4期の頃から考えて、成長をこんなに実感できるとは正直思っていなかったです。
そしてこの成長は、自分一人では決して得られませんでした。
まず欲しいものがあり、それを叶える為の理論があり、優秀な指導者がいて、信頼できる仲間がいて、やっと得られるものだと言うことがわかりました。
特にキャラクター、シーンのフェーズに入った時、5期のみんなに助けて貰いました。
キャラクターの身体、癖、台本の読解の部分。嘘を無くし、戯曲に沿ったキャラクター、シーンにするには様々な準備が必要で、演ってみて足りない部分を準備して、また演ってみて、準備しての繰り返しでした。
自分の準備の苦手さが浮き彫りになりましたが、5期の仲間たちが些細なことでも真剣に考えてアドバイスをしてくれたり、率直な感想を言ってくれたことで前に進めました。
おかげで、誰かに頼ってもいいと言うことを初めて実感と共に理解できました。
考えてみると、今まではどの作品も勝手に一人で戦っていたように思います。
なんて勿体無いことをしてたんでしょう。
でも気付けたことが自分にとってかなりのプラスになりました。
また今回、「自分自身」と「俳優としての自分」と向き合う時間が増えたことで「自分がどういう俳優になりたいのか」が明確になりました。
私には目標とする世界一のスーパースターがいるのですが、play roomで得たものは確実にその人に近づく足掛かりになりました。
全20回が終わってしまって寂しさはありますが、悩んだらいつでも帰れる心強いホームができたと思っています。今は早く現場で色々試してみたいです。
最後に、自分のことを褒めていいのだと言うこともplay roomで学びました。
なので2期連続で参加した自分を思いっきり褒めたいと思います。
野村さん、せりさん、アシスタントの皆さま、運営に関わって頂いた皆さま、クラウドファンディングでご支援頂いた皆さま、そして5期の仲間たち、本当にありがとうございました。 全てが楽しかったです。
高見駿さん
とにかく“発言のハードルが低い”環境を運営やファシリテーターが整備してくれている(ように感じてた)のは、数多にあるWSの中でもごく少数な場だと感じており、とても大きな価値があると思いました。(本当はもっと色んな場でそうあって欲しいとも思います。)
それと勿論“安価である”という点です。
そしてそれを実現可能にするため、支援を募る→支援を募るために活動を広く知ってもらう→広く知ってもらうために広報活動を行う等、これもまた運営陣の手厚いサポートとそれを見つけて、手を差し伸べて下さる方々が実際にいらっしゃるというのは、とても素敵で有難いことだなと感じました。
受講内容については、割愛しようと思います。(たしか過去のレポート?が公開されていた気がするので……) と言いつつ一点、
後半ではシーンスタディ(シーン稽古)を中心に行なっていたのですが、同じキャラクターの同じシーンを色んな方がトライして、フィードバックを全体でシェアしていました。
そうする事で、自身の取り組もうとしている事に直結しやすく、また客観的に自身の取り組んでいるシーンを観る機会があるというのは、冷静に自身のトライとの相違点を感じとり、それを経験値として得ることが出来る貴重な時間でした。
参加出来てよかったです。ありがとうございました。
願わくば、この場が今後も存続し、より多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。
西山さん
心理的安全性
によって実る
果実はこんなにも…!(字あまり)
講師の世莉さん運営の野村さんそしてその知性感性努力をスーパー尊敬している世代の違う仲間たちと出会えたこと、そしてそのみんながそれぞれの現場で頑張っていること、ほんとにこれからの力になります、4月の私とは別人です、誇張じゃなく。
まず演技面。
自分は身体も物の見方も素直かつパワフルかつ特徴的だと認知できたので、それを使いやすく、扱いやすくなったと思う。
相手にエネルギーを伝える力に関しては、ほぼ素直に反射的に波に乗れるようになったが、大きな憎しみや悲しみを体でストップさせてしまう時があり、でもそれを知覚できるようになった。なので出すのもあと一歩だと思う。
キャラクターに関しても具体的な深め方の作業を掴めたのが大きい。
これだけで本当にいいのか、というのはまだあったが、いやこれだけやったのだからという諦めというか腹のくくり方が今後はできる気がする。
そして、演技以外の面で。
これは最終日みんなに言えなかったのが心残り。
この春は正直…私の演技もう誰にも求められてない、でもここまで積み上げてこれなかった自分の自業自得、やめたい、ていうか勝手にやめたらって感じよな需要ないんやから…などなどなどと毎日思っていた。今考えると別人。
でもまあ私って基本ずっとそういう感じだったかも。
また波がきてそういう気分になる時も来るかも。
でもその時のためにも今を書き残しておく。
私なんかにはできない、という思い込みによって自分を守って、もっと得たいものがあるのに、変わらなくてよい安全圏にいた気がする。
世莉さんやみんなが根気強く、同じような責めを自分に何回もしている私の紐を解いてくれた。
一回解いてくれてもまた自分を縛りに行って、でも5回くらいほどいてもらったときに、もう気がついたぞ、て思ったし、気がつけるなんて自分にもええとこあるやん、と思ったし、そんな風にみんなが大切に扱ってくれている自分を大切にしたいと思った、ほんとに。
そう、みんながわたしのことをすごく大切にしてくれた、し、わたしもみんなのことすごく大切にした。
大切にするっていうのは優しくするってことだけじゃなくて(基本すごく優しかったけど)自分とは別の他人であることをすごくわかりながら、隣に立っていること。
こういう場が世界に増えたらいいな、他の人のためにも。
他の人のためにも、ていうのがこんなに素朴な気持ちで言えるようになったのもみんなと世莉さんとOBの人たちと野村さんのおかげです。
不安になったら思い返したい日々。
水元 琴美さん
まず、こんなにも安心・安全な場所でお芝居と向き合えたことを嬉しく思います。
「私は大切で、あなたも大切」をみんなが個々に持っている環境だったから、自分の課題に向かって好き放題やれました。
また取り組み方でもう1つ、認知のズレや歪みに気づけたことも良かった。
うまくいかないこと、悔しい気持ち、自分の存在、他人の存在はすべて別のことで、どれと向き合えばいいかを都度整理しながら取り組めたことが私にとっては新しくて画期的なことでした。
そして、発表会を終えた今、1番感じていることは「お芝居楽しい!!」です。
私が感じたこのお芝居の楽しさは、きっと全体のほんの一部なのだろうと思うと胸が高まります。
4月に抱えていた課題はまだ課題のままで、むしろボリュームは増えたような気がしています。
ただ課題との向き合い方や方向性はクリアになってきたので、たくさん試して、より強い自分になりたい。まだまだ手に入れたいものがたくさんあるので、貪欲に目指していきます。
play roomを通して、私は自分で思っていたよりも“人が好き”で“人と関わることが好き”なんだと気がつきました。
ここで出会ったみんなと、主宰の野村さん、講師の世莉さん、アシスタントの皆さん、支援してくださった皆さんに最大限のありがとうを伝えたいです。
綿貫美月さん
勉強になったし、何より楽しかったです!
まず、カリキュラム内容として、基礎から学ぶ期間が設けられているから、付け焼き刃でなくちゃんと身に染みていっている気がした。
考えずに感じて演技するってどういうことか、自分は何を今感じているのか、どんなものに感情が揺さぶられるのか、細かい役作りや読解がどう演技に反映されるのか。毎回行くたびに発見がありました。
4ヶ月、最初長いと思ったけど、途中からもうあっという間だったな。
あと、何より一緒に受けている5期のメンバーに支えられた。
みんな一生懸命上手くなるため試行錯誤していて、その姿に自分も奮い立たされるのを感じました。
私からしたら「できてるじゃん!」って思う人も、どんな課題を感じて、それを解決しようとしてるのか等知ることができたのがありがたかった。
自分だと「できてる?できてない?あとどんなこと意識してやろう…」となってしまう時も、メンバーに相談したり、意見を聞いて新しい考えを取り入れられて、中々こういうのって短期のWSでは出来ないことだよな…と終わった今、改めて貴重な時間だったと感じています。
自分の上手くなりたい、という向上心に真摯に向き合ってくれる場だなと思いました。
これだけやりやすかったのは、野村さんや世莉さん達、メンバーそれぞれが安心してWSできる場を作ってくださったおかげも非常に大きいと思います。
クラウドファンディングをはじめとして、このような場を作ってくださった皆様、本当にありがとうございました!
匿名①
全20回への参加を終えた今、振り返ると、ものすごく贅沢な時間を自分は過ごしていたんだなと改めて思います。
基礎から始まりキャラクターメイキング、そしてシーンスタディを通して、自分がたくさんのチャレンジをできたのは、play roomが心理的安全性の確保された環境であったことが大きいです。
発言するかどうか、ワークに参加するかどうか等、自分で選択する権利が守られていることが、創作をする上でこんなにも安心感を感じられるんだと初めて知りました。
「自分の成長のために参加する」というビジョンが個々人でハッキリしているからこそ、それぞれのペースや取り組み方を互いに尊重できて、いい意味でほっといてもらえる感がありとても居心地よかったです。
そんな場をplay room以外にも広げていけるように、自分も行動していきたいなとも思えるようになりました。
私がplay roomで出会えてよかったと思えた言葉は「〜すれば優勝!」です。
「良い」とか「最高」とか「素晴らしい」とかだと、身体がなんとなくモヤモヤしてる時には受け取りにくく「いや、なにひとつわかんないままやっちゃってましたけど私…」と自分が嘘をついてるように感じられてしまう時がありました。
でも「優勝」なら、できたこととできなかったことをちゃんとわかった上で「私はこれに取り組んで、やり遂げました」と区切りをつけられる印象があって、本当にいい言葉だなぁと思います。今ではお守りみたいになっています。
理想を高く、完璧を求める時ほど"どれだけできなかったか"の方に目が行ってしまいがちだけど、「準備して、手放して、振り返って、次へ」というサイクルを繰り返すこと、それ自体を楽しめたならもう私は優勝!と思えるようになったことが、この先の俳優人生においても、ずっと心の中に灯火みたいに輝き続けると思います。
こんな場を作ってくださった野村さん、世莉さん、運営とアシスタントのみなさん、クラウドファンディングでご支援いただいた方々、発表会に来てくださった方々、そして途中まででも最後まででも、第5期でともに学んだみんなには、たくさんの感謝でいっぱいです。ありがとうございました。
ひとまずはいろんな場所で挑戦しつつ、「この課題はどうにもできん!」と思ったものがもし見つかったらダッシュで帰ってきますので、その時はまたお願いします!
匿名②
私は主に2つの点に課題を絞って参加していました。
1つは頭で意志することをなるべく減らすこと、
もうひとつは様々なキャラクターやシーンを演じるために身体への認知を深めることです。
この2つは密接に関連した課題であり、まとめて言い換えると、目指す演技表現のために達成したいことが、意志や操作を介在させることなく自然に起きるにはどうしたらいいんだろうということになると思います。
私は表現に対する理想が強すぎるきらいがあります。
そのような理想がない単発のWSや即興演劇では捨てることができても、表現したいことと自然に起きることとの統合がなかなかうまくいかずに考えすぎてしまうことがありました。
たまたまうまくいくこともありますし、あるいは再演の現場だったりすると比較的自由に振る舞えたりするんですが、準備時間の比較的少ない初演の現場で蓋然性の高い方法を見つけたかったのです。
play roomでは、マイズナーテクニックの中核にある「リピテション(Repetition)」という、ごくシンプルなルールの下で衝動のままに人と関わり合うトレーニングを毎回行います。
戯曲を使ったシーンスタディに取り組む傍らでこれを行うことで、制約が多い時の身体と、リピテション時の身体の差異を観察する機会を多く得られました。
あるいは表現の上での進展よりも、どのような準備が有効かを確かめるために、手放すことを重要視してシーンを演じる機会にも多く恵まれました。
シーン自体はうまくいかないことが多かったですが、これまで学んだ演技や読解の技術が手放した状態の身体とどう関わるかが明確になったことは、私には大きな収穫です。
そして、このように参加者各自が解決すべき課題に取り組めるのplay roomのよいところでした。
参加者同士の優劣を計るものさしはここでは存在しえません。
各々が必要だと思われることをやるだけです。
なにか強制力のある目的が、その大義名分のもとで個人の自由を歪めることもほとんどありません。(※1)
唯一「成長のため」という言葉が使われますが、どのような成長を目指し選び取るかも参加者に委ねられることで、自由可能性が保証されていたのではないかと思います。(※2)
参加できてよかったです。ありがとうございました。
※1 厳密に言うと、人権守ろうとか、感染症対策のために手洗ってねとか、怪我は起こしちゃだめだよとか、参加費払ってくださいとか、運営に必要な強制はもちろんあります。
※2 私は成長という言葉を好まないので、「変化」と脳内変換していました。特に問題はありませんでした。
匿名③
私がplay roomに参加して1番の収穫だったのは「演技を楽しむ、失敗を楽しむ」という気持ちを取り戻した事でした。
演技を始めて6年程になりますが、始めた頃は楽しかったはずの演技が、いつのまにか萎縮したり恐怖心を抱くようになり、苦しいと感じることが多くなっていました。
play room最終日から2日後、いつもなら緊張して硬くなる現場が有ったのですが、いつもより気持ちが軽く「色々試してみよう、失敗してもOK、楽しもう、遊ぼう」という感覚で楽しむ事ができました。
これは本当に物凄い収穫だと思います。
実はplay roomに参加し始めた当初は「キャラクターの作り方」を一番に学びたいと考えていました。
それに固執するあまり、シーンワークはとても苦労しましたが… しかし、技術やそういったことよりも、もっともっと大切なものを頂けたと思います。
そして、そうなれたのは「安全な場所・安心な空気作り」を徹底して下さったから。
私はもともと人間とのコミュニケーションが苦手で、それに加え若い皆さんと歳が離れていることもあり、あまり積極的に関われなかったのですが、「関わらないことが許される場所」「全然気にしない仲間達」に恵まれて、回を増すごとに気が楽になっていき、本当に本当に助かりました。
このような場が増えることを切に願います。
クラファンでご支援下さった方々をはじめ、世莉さん、野村さん、関係者・参加者の皆様には本当に感謝ばかりです。
play room第5期、ありがとうございました。
後編はこちらから
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