四阿山(2021.10.18)①
毎年このくらいの日にちに、高い山に一気に冬がやってくる。
富士山の初冠雪は9月の終わりから10月の頭頃。
そこから半月ちょっと経ったくらいで、いわゆる日本アルプスと呼ばれる山々が一斉に白帽をかぶる。
2020年はそれを、職場から見ていた。
八ヶ岳のてっぺんに、まるでアポロチョコレートのチョコ味部分くらいの雪がかぶってとても可愛らしかったのを覚えている。
そして2021年はというと、四阿山に登るべく訪れた菅平牧場の駐車場で、壮々たる北アルプスの冠雪姿を目の当たりにした。
登る前からこんなにいい景色を見てしまって大丈夫だろうか、と不安になるくらい素晴らしい眺めで、駐車場では「あれは〇〇山、その隣は、」と指差しながら普段山頂でするような会話が聞こえてくる。
人々が景色を指差しながら何か話しているのが好きだ。
この時も、素敵な光景だなあと思って、後ろ姿を写真に撮らせてもらった。
隣にいる人と、お互い自分の視覚でもって同じパノラマを共有していることはとても素敵なことだ。
なんでも写真で共有できてしまう今だからこそ、隣に立って指差し教え合うことがとりわけ嬉しい。
さて、四阿山である。四阿山へ行く道は、途中で根子岳という「花の百名山」に選ばれている山のピークを踏んでからたどり着く。
前夜泊まった須坂のゲストハウスで「蔵」で、「地元の小学生は遠足で根子岳登山をする」とUターンのスタッフさんが教えてくれて驚いた。英才教育だ……。
松本市でも似たような話を聞いたことがあるし、長野県では珍しくないことなのかもしれない。
コースタイムは6時間弱。その日の歩行ペースは快調だったと記憶しているが、何せ立ち止まらざるを得ない良い景色が多過ぎて、コースタイムちょうどくらいで下山だったということを先に記しておこう。
つづく。
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