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「悪い人」なんていない

ゲームが好きです。
いつもゲームをできるほど暇ではないし、
常にゲームをチェックするほどのゲーマーではないです。
けれども、時々ゲームをしたくなります。

やりたいのは世界観のあるゲーム。
アニメもゲームもそうだけれど、その中に表現される
世界観はとても示唆に富んでいたり、未来的な何かを映し出していたり、
誰かが宇宙から何かをダウンロードして表現したものなんだろうな、
と感じます。

正直、「伝える力」という意味ではメッセージを伝えるよりも
一つのストーリーやコンテンツみたいなものを作った方が
伝えられることの幅も情報量も多いと思います。

近年やってとても面白かったのがこちらのゲーム↓
ファイナルファンタジー風花雪月

ストーリーとしては2部構成になっており、
一部では士官学校の教師として担任する学級を選び、生徒たちを育て、導いていきます。士官学校はこのゲーム中のフォドラという世界にある3つ分かれた国の各国の出身者別に編成された三つの学級となっており、主人公は、三つの学級の中から担任する学級を選び、指導し、戦場における実践では指揮を執って生徒たちとの仲を育んでいます。

第2部は士官学校での日々から五年後、三国が相争う戦争が起きており、
主人公は1部で選んだ学級の国の立場で戦争に巻き込まれて行き、組する国の作りたい未来を作るために働くこととなります。

このゲームのリアルなところは、生徒たちとの仲が深まると
プライベートな会話が発生して、その生徒の普段は見せない
顔を知っていきます。すると、どうしたってその生徒に対して
個人的な思い入れが発生します。
ちなみに、選んだクラスの生徒だけでなく他の勢力のクラスの
生徒との間にも会話が発生し、友好を深めることが出来ます。

しかし、2部になると一転。
自分たちの信じる信念を達成するために敵勢力を殺して回らなければ
なりません。1部で交流していますし、その人の良い部分、優しい部分
等見ちゃったりしているので、出来るだけ殺したくないのですが、
そのマップのクリア条件として撃破しないといけないキャラとして
設定されているかつての生徒が必ずいるので、泣く泣く殺すことになります。
そして、それぞれのキャラクターは死ぬ場面になるとスローモーションが
流れ、断末魔を叫び、末期の言葉を吐きます。リアル・・・・。
人を手にかけるって何て切ないんだろう。何て心が痛むんだろう。
ということを体験できます。

でも、この世界観ってすごく私達の目の前にある世界を
映し出しているな、と思います。

ゲームにおいて泣く泣く殺さなければいけない敵勢力の生徒って
「悪い人」じゃないんですよね。
ただ単に「考えが違う人」「持っている信念が違う人」なんです。

けれども、「世界は一つしかない」という前提に立つと、
世界を自分の理想の形にするために
別の理想を持つ人間を一掃しなければなりません。

これは正に今この世界で起きていることだな、と。

真の平和をこの世界に体現するためにはどうしたら良いのでしょう?
もう、人が争うのを見るのは疲れました。
生きている間に「本当に平和な世界」を見てみたいです。

目の前にいる「嫌な奴」は「悪い人」ではなく、
「別の考えを持つ人」だと理解すること。
相手には相手なりの理由があって言動を起こしていると理解すること。

また、もしかすると、「世界は一つしかない」という概念自体が
戦争を引き起こしているのかもしれないです。

「世界を分かち合うこと」。
もしかすると、それが平和へのヒントになるかもしれないな、
なんて考えました。


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