育児ストレスにも腸内細菌⁉️
もうすぐ新年度ですね。卒業式が終わり、独特な不安が少し入り混じったワクワク感があるからか、小児科隣の薬局でも、なんとなく落ち着かないお子様が増えたような〜
落ち着きがないお子さんでも、余裕を持って対応しているお母さんもいれば、ちょっと薬局を出るのに渋っているだけなのに、怒りまくるお母さんもいて。かつての自分を思い出しながら、エールを送る毎日です。
しかし、この対応の違い。どこから来てるのでしょう。
経験が大きいのだとは思いますが、0~4歳児を養育中の母親339名を対象に、育児ストレスと身体症状、腸内細菌叢との関連を検討した研究が報告されていました。腸内環境は、善玉菌がたくさんいると良いとされていましたが、今では多様な腸内細菌がいるほうが良い腸内環境とされています。この研究では、育児ストレスを感じている人は、腸内細菌の多様性が低く、睡眠の質も低いことがわかりました。
さらに、初産で生後3~6ヶ月の乳児を養育中の母親27名を対象に研究をすすめたところ、うつ症状に関連しているといわれている酪酸の産生や抗炎症に関連する菌や女性ホルモンと同じような作用を持つエクオールの産生に関連する菌が、母親の心身のレジリエンス(ストレスやダメージからの回復力)に関連する可能性があることがわかりました。
レジリエンスとは、困難な状況に適応していく能力やそのプロセスを指し、心身の疾患予防やQOLの向上の観点からも大きな注目を集めています。
腸内細菌叢(腸内フローラ)の改善が、育児ストレスの予防、レジリエンスの向上につながっていくのかさらに実証をすすめていく必要がありますが、育児でお疲れのお母さんたち、一度、ご自身の腸内環境を見直してみませんか?
私もお年頃の息子に手を焼いており、腸活に励む必要がまだまだありそうです。
参考)腸内細菌叢と母親のメンタルヘルス:母親の育児ストレスの予防とレジリエンスを高めるために
松永倫⼦・竹内麻里子・渡辺諭史・竹田綾・菊水健史・茂木一孝・永澤美保・萩原圭祐・明和政子
Communications Biology
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