一家に数本、経口補水液!!
6月に入り、蒸し暑い日が増えてきました。
暑くなってくると、心配なのが、熱中症!
私たちの体は、周りの温度が高くて体温が上がれば、熱を体の外に逃がし、周りの温度が低くて体温が下がれば、熱をため込むなど、常に適切な体温になるよう調整しています。この働きに異常が起こって、体の中に熱がため込まれてしまうと、熱中症が起こります。
体温が上がった時に汗を出すことで、体温が下がるのですが、大量の汗が出た時に何もしないと、体に必要な水分や塩分が足りなくなって、脱水状態になります。
乳児や小児は身体の水分の割合が約70%と高く、また、身体が小さいために水の絶対量が少ないので、下痢をしたり、嘔吐したりすると、脱水症状が起こりやすくなります。
・頭頂部の大泉門が引っ込む ・おしっこの量が減るもしくは出ない
・目がくぼんでいる ・脈が速くなる
・舌、口の中が乾いている ・機嫌が悪い
・顔色が悪い ・水分を欲しがる
・手足が冷たくなる ・お肌がかさかさする
・泣いても涙が出ない
以上のような症状が出た時は、脱水症状を起こしている可能性がありますので、すぐに受診してください
高齢者は、もともと体内の水分量が50%程度と少なく、尿を濃縮する機能が低下し、老廃物を排泄するのに、多くの水分が必要です。のどの渇きを感じにくい、水を飲む量が少ない、トイレに行くのが面倒で水分摂取を控えがちである—など、脱水を起こしやすい状況にあります。
高血圧のために利尿薬を服用している人も多いです。
認知症があると、脳の働きが低下して自律神経の働きが悪くなり、脱水症状を起こしやすくなります。体内の電解質異常で、せん妄(幻覚、幻聴など)も起きてしまいます。自分では、脱水症状を起こしていることを理解できていないので、脱水状態が進み、更にせん妄が悪化するという負のループを繰り返してしまいます。施設にお願いしている義母さんも、夏になるとせん妄で、おかしくなることが多かったのですが、なかなか水分を摂ってもらうのが厳しくて、大変でした。
①尿の色が濃い
②爪を強く押して、押すのをやめても、すぐに元に戻らない
③痰が絡んだ咳を繰り返す
このような症状が出ているときは、水分が不足していることが多いので、
速やかに対処してください。
脱水症状の予防の基本としては、食事をきちんと摂ること、こまめに水分を摂ること、寝る前後、入浴前後、運動中、運動前後、飲酒後は、必ず水分を摂る、脱水状態のときは、水分と塩分、糖分を一緒に摂る が挙げられます。
軽度~中等度の脱水(熱中症を含む)が起こったときに、すぐに役立つのが経口補水療法(ORT:Oral Rehydration Therapy)です。塩分(電解質)と糖分をバランスよく配合した経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)を飲ませ、失われた水分や電解質をすみやかに補給する治療法です。欧米ではガイドラインもつくられ、高齢者の経口摂取不足や発熱、過度の発汗、おう吐、下痢による脱水状態の改善に適している療法として、広く認知されています。特に、2003年に発表された米国疾病管理予防センター(CDC)のガイドラインでは、小児の軽度から中等度の脱水症に対してはORSの使用が第一選択となっています。
ご高齢の方や、就学前のお子さんなどは、いつなんどき、脱水状態になるやかもしれません。常に、経口補水液を常備し、備えておくとよいですね。
参考:社内資料
大塚製薬 OS1 HP
NHK 今日の健康 熱中症対策より
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?