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『1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』を読んで

本書の主役は、ビル・キャンベル。アメフトのコーチ出身でありながら、優秀なプロ経営者。ジョブズの師であると同時に、グーグル創業者たちをゼロから育て上げたコーチ。

ビルのコーチング(つまり本書)を通じて学べるのは、組織・チーム論・マネジメント論・リーダー論と幅広い。さらに描かれるビルという人物そのものの魅力を擬似体験できます。

信頼をもっとも大切にし、ときには汚い言葉を発するけど、そこには愛がある。ビルは会社を訪れるとひとりひとりハグをし、電話があれば必ずその人と向き合った。

チームファーストを説き、いまでこそスタンダードとなった心理的安全性はビルから生まれたといってもいい。会議前の雑談で無駄でない話をして盛り上げる。物語を語れ、誠実であれ。他いろいろ。

こういった本書のエピソードは非常に具体的な内容です。なぜならビルからコーチングを受けた本人たちが書いているから。ここがすごい。

何を言うかも大切だけれど、それ以上に誰が言うかはインパクトがあります。読者も得られるものがあるつくりになってる。擬似的にビルを師匠と仰ぐ人も出てきそうです。

「こんなとき、ビルならなんて言うだろう」と。人は人に惹かれる。

ビルは、ジョブズがAppleを追放されるとき、反対した数少ないメンバーのひとり。そしてジョブズはAppleへ戻ると、取締役にビルを指名しました。で、非公式でGoogleの経営層のコーチを務めます。

Appleがアンドロイド関連でGoogleを訴えようとしたとき、ビルは議論の是非には入らなかったけれど、人のアサインという点で間接的に仲裁に入っています。

あれ、Googleとビルはどういう関係?後半に出てきますが、ビルはいっさい報酬を受け取りませんでした。それは自分自身で価値のものさしを持っているから。自分が関わっている人がどれだけ成功しているか、ここを測っていると。

最後により具体の点で響いた箇所をクリップ。

マネージャーはコンセンサスではなく、最適解を得よってお話。

コンセンサスをめざすと「グループシンク(集団浅慮)」に陥り、意思決定の質が低下しがちなことを、ビルは直感的に理解していた。最適解を得るには、すべての意見とアイデアを俎上に載せ、グループ全体で話し合うのがいちばんだ。(略)複数の部門にまたがる幅広い決定なら、チームリーダーを議論の「オーナー」にして責任を持たせる。

というわけで以上です!



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