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『フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略』を読んで

本書を通して学んだことを先に申し上げると、Beingをないがしろにしないことです。Beingとは(音楽事務所ではなく)ありのままの状態のことを指します。ひとりであればボーとする時間。シャワーを浴びることや瞑想などです。みんなであれば雑談や飲み会など。

たとえばお酒なんかが入るとロジカルではなくなり、意外と深い話になることありますよね。Beingは右脳的です。

このご時世、巷ではオンライン飲み会が流行っていますが、雑談の絶対量はどうしても減っている気がします。著者の石川さんは、そもそも働き方改革によって「みんな×Being」の領域が少なくなってきていると指摘します。

で、雑談が大事なことは感覚では理解できていると思いつつ、本書では「それはなぜか?」をロジカルにわかりやすく説明しているところにグッときました。

まず、BeingはDoingに対応しています。Doingは「ひとり」であれば企画書をこしらえる・読書をするといった、いわゆる「すること」を指します。「みんな」であれば、仕事なら会議・ブレストといった類いです。論理的思考が働くので、Doingは左脳的です。

このBeing(右脳的)×Doing(左脳的)の時間配分をバランス良く保つことで「大局観」を養うことができると著者は言います。直観(右脳的)と論理(左脳的)の思考があり、大局観はその中間に位置します。ちゃんと脳の働きとリンク付けされているんですね。

で、大局観とはかんたんに表現すると、寄りと引きの高速な往復運動です。言い換えるとそれは、抽象と具体を行ったり来たりすること。著者が紹介している通り、まさに山口周さんがこれまで提唱されていること。

「抽象と具体を行ったり来たりすること」ってちょっとむずかしいんです。そこで、個人としてはコピーライターの阿部広太郎さんによる「企画のつくり方」がわかりやすくかったので、ここで紹介します。

具体(経験)→抽象(本質)→具体(企画)

抽象と具体の行き来で表現されています。阿部さんは「そもそも」「たとえば」「つまり」3つの接続詞を行き来して企画を考えると言います。

ちなみに本書でいえば、事業→企業→産業と抽象度を上げていく「視点の高さ」も必要です。考えてみれば作業→行動→意義といったように目標にも視点の高さ・行き来が求められます。

大局観や抽象思考は、最終的に何に行き着くかというと、それは情報→思考→価値といったように、インプットして不連続なアウトプットをするための「創造性」です。

ひとりでボーとする時間やみんなとお酒交わしておしゃべりする時間を大切にすることが「創造性」につながる。それはなぜか?という間を埋めるピースが見つかった気がしています。

というわけで以上です!


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