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『最軽量のマネジメント』(山田理)を読んで

マネージャーは大変です。多様性の時代、世代間のギャップ。上からのめちゃブリ、下からの突き上げ。上の意図を汲み取り、下には納得させ、コーチング、ティーチング、メンタリング。要は「育てろ!」と。

ここまでの認識はどなたも基本はいっしょ。ただし、フツーの我々は、現状をすべて受け入れた上で「マネージャーはどうあるべきか」と考える。その前提の上でどうサポートするか考える。もちろん有意義な打ち手もあるはず。でも、根本の解決になるか?というと、ちょっと自信ない気もします。

著者の山田さんは、「どうすべきか」の重荷ではなく、「どうすればマネージャーの仕事を減らせるか」という視点に立ちます。本書はタイトルに示している通り、マネージャーの解放を目的として、一貫したスタイルで書かれた画期的な内容です。

というわけで以上です!

...なのですが、すこしだけ紹介させてください。

では、どのようにしてマネージャーを解放するのか。著者はまず古びれた6つの理想を捨てるところから始めたといいます。

*マネージャーは「地位」でなく「役割」
*モチベートには情報公開の「覚悟」
*「だれが何のプロか」を知るだけでいい
*組織図はキャンプファイヤー型へ
*100人100通りの距離感を受け入れる
*目指すのは「透明な企業」

上記が組織の最軽量のあり方。ここに行き着くには青野さんの本にあったように苦難の道がありました。山田さんの動き・考えとしては、

成果主義のあきらめ→ザツダン→社員100人100通りの自立という方針へ

そんなプロセスに感じました。まずはあきらめ、悟るところから。その先に「透明性」と「責任の分散」につながるアクションが出てきています。

以下はメモです。

*理想のチームワークとは、「企業理念に共感して集まったメンバーが、お互いの個性を尊重し合い、公明正大に議論して意思決定し、自立したそれぞれが互いに作用し、助け合いながら、最大限能力を発揮できること」
*何度も言いますが、マネージャーのもっとも重要な仕事は「意思決定」です。
*重要なのは「数(みんなという曖昧性)だはなく、「だれ」が「何のプロフェッショナル」なのか、そして「だれ」が「やりたい」と言っているのか。
*マネージャーが持つ「説明責任」に対して、同等に、疑問や問題を放置するのはメンバーにも責任があるというメッセージを込めて、「質問責任」と呼ぶようになりました。

まず実践できそうなのは、オープン性の徹底。そこに「マネージャーの仕事を減らす」という目的と、マネージャーとは地位でなくて役割という前提のインプットが必要だなあ。

これでサイボウズ関連の本は3冊読んだことになりますが、どれも学びがあります。おそるべし!というわけで以上です!


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