14話 クローズアップBI 〜導入方法と財源〜
これは、ベーシックインカムが実施された近未来を想像した物語です。
Living with BI 〜ベーシックインカムがある世界〜
今回は閑話休題として、ベーシックインカムの導入方法と財源について考察します。
マンガの時系列におさまらない情報が出てきたとき、どのようにそれを伝えるべきかというアイディアとして「クローズアップBI」という閑話休題形式での紹介を思いついたので描いてみました。文字が多めですみません。
2021年の衆議院選挙では、ベーシックインカムという言葉を使ったり公約に掲げる政党が現れました。この言葉をこの年はじめて聞いたという人も多いかもしれません。それに伴い、新しい情報もちらほら入ってくるようになりました。
どのように導入するか? 財源は何か?
ベーシックインカムは「働かざるものも飢えるべからず」という夢のような政策ですが、必ず言われるのが、その導入方法と財源です。4話で紹介したナウル共和国のように原資が枯渇すればこの制度は破綻してしまいます。
現代は、物もお金も豊富にある時代ですが、富が一部に集中してしまい、貧富の格差がとてつもなく広がっています。財源は主にこの「ありあまる富を少しだけ貧しい側に回して、生活の質を良くしていこう」という考えが必要になります。貧しい人たちが困るほどにお金が回らなくて困っている状況を良くしていくためにもベーシックインカムは必要になってきます。
仕組みの大型アップデートをアップルをヒントにしてみた
マンガで紹介した導入方法で「徐々に金額を上げて入れ替える」という方法を紹介しましたが、これはiPhoneなどで有名なアップルが自社のパソコンのOSを大型アップデートしたときに10年かけてゆっくりやったことをヒントにしています。
パソコンのプログラムの土台となるOS(オペレーションシステム)は人間社会で言えば法律や制度のようなもので、これが急に大幅に変わるということは、今まで便利に使えていたものが急に使えなくなったりして困る人が続出します。
そこで、古い環境も残しつつ、新しい環境も使えますよという形でアップデートしていき、だんだんと新しい環境のほうが便利だとわかるように誘導していきます。新しい環境にほぼほぼ移動したら、新しい環境の本来の性能を引き出すような形でアップデートを続け、本当に柔軟で使いやすいOSに変えていくといった行程のアップデートでした。
今のうちから準備を
行政もデジタル化が進められていることですし、少しずつ整備して移行してもらいたいものです。財源や実施方法以外にも課題が山積みなベーシックインカム。機械やAIが仕事を奪い始めたら、いよいよ導入が具体的になるでしょう。それまでにもやっていくべきことはたくさんあるように思います。
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