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女性性と男性性について②:軌道修正済み

①では、最後に【私という主観から見た世界の共通概念(コモンセンス)であり、それは”行為”ではなく”在り方、在り様”の違い】として終わりました。

この②の記事は訂正して上げた記事になるのですが、『究極的には女性性だけの世界があり得るのか』と最初はタイトルにくっつけていたものです。

現代は女性性・男性性のバランスが崩れているとも言われ、
また、男性性優位の世界の傾きを戻すのは女性性が必要であると言われています。それを男性原理が汚してしまったの世界を浄化するのは女性原理であるという見方をしているものもあるようです。

ただ、この対極があるという前提に対して疑問が湧くところでもあり、それはあらゆるところで二元性・二極性・相対性について言葉が飛び交っているからですが… 「究極の現実とは女性性しかない」とした言葉があり、そのインパクトが自分の中で大きく、私の中で女性性という単語に紐づけられていた結果、タイトルにくっつけてしまったものでした。
そこまでいけたらいいなと思いながら、改めて記述していくものです。

代表的な女性性・男性性の区分について

女性性・男性性とは何か、は【女性性・男性性について①】を参考にしてください。

一般的に見る女性性・男性性の区分
男性性:陽、光、父性、能動的、論理的、思考的、他者を好む、求める性質
女性性:陰、闇、夜、母性、受動的、感情的、共感的、直観的、他者から好かれる、受け容れる性質 等

性質の区分としては、心理学だけではなく占星術や数秘術といった占術上でも女性性(女性原理)・男性性(男性原理)を基準とした性質の分け方をしています。女性性・男性性が概念だとしても、基準としてはとても使いやすいのです。※心理学も占術も、人間の見えない部分を扱う点では目指すところは同じと言える。

占星術での12星座の区分
男性原理:牡羊座♈、双子座♊、獅子座♌、天秤座♎、射手座♐、水瓶座♒
女性原理:牡牛座♉、蟹座♋、乙女座♍、蠍座♏、山羊座♑、魚座♓

あくまで参考でありそれが絶対ではないものの(それを固定化しなければ、客観的に性質を観る点で優れている)、占星術による性質のタイプ分けは興味深く、また分かりやすいのではないかと思われます。占星術は更にエレメント(火土風水の属性)などでも分けていきますが…

惑星で見る性質の区分:
男性性:太陽(王様・父・支配・昼間)、火星(兵隊・騎士)、木星(僧侶)、土星(老人・賢者)
中性:水星(伝令)、天王星(閃き・変革・改革者、水星の上位)、
女性性:月(王妃・母・浄化・夜・肉体においての子宮)、金星(恋人・娼婦)、海王星(夢やビジョン、集合無意識、金星の上位)、冥王星(宇宙の子宮、死)

上記は中世の社会を当て嵌めているものですが、社会の成り立ちにおいて男性原理が中心として動いていたことが良くわかります。
その背景で、女性原理もなくてはならない存在でありながら、表に出ることなく隠されている存在です。集合無意識や死も見たくないものであり、けれどそれらの上で生きていることも否定できません。



女性性・男性性の統合とは?

女性性・男性性について①でも触れましたが、スピリチュアルにおいて<内面の女性性・男性性の統合>といった命題は有名です。

自分の内面のこととはいえ、女性性・男性性とは相対的/二元的な概念であり、それは性質の全く違う極性でもあります。

例を上げるのに分かりやすいところでは、トートタロットがあります。

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愚者から始まり、このカードは14番目にくる<ART>というカードです。

ARTは【錬金術】を象徴するカードです。異種のもの、相反するものを統合する、対極の統一によって生まれる爆発的な力、化学反応であり、人間に不老不死を与える賢者の石は錬金術によって生まれます。(諸説あり。)

内面の統合によって神に近付くなら、不老不死というのはあながち嘘ではないかもしれません。もはや死という概念なく、肉体の有無さえ越えた何かがあるのかもしれません。

また、その錬金術を「ART」としたのは、その統合(釜による精製)によって創造されるものを指しての「ART」なのか、あるいは、<術(すべ)、技巧>といった意味での「ART」なのか…或いは両方か。
14ARTが対応しているヘブル語は「サメク」であり、{生命を保つ孕まされた子宮、自己制御と自己犠牲の車輪}の意味や{無意識の獣性を人間の理性をもって制御する姿}、{学徒が高みを目指し真っすぐに目指す姿}、或いは{支柱であり柱やテントを支える釘}とするものもあります。

このカードは極性/異種性の統合・合一という術があること、その知恵と、統合することによる成長を象徴するカードなのです。

対極の統合/統一とは、簡単に言えば、その違いを互いに受け容れることです。受け入れることで統一されたものは、もはや新しい何かであるか、あるいは分離していたものが元に戻った姿でしょう。

いずれにしても、統合/合一されたものは、対極であったことによる軋轢や葛藤といった抵抗力/反発力はそこにはなくなります。

ただ、この世界において完全に統合されることは不可能であるとも言われてもいます… 何故ならこの世界では二元性の上でしか存在が出来ないからだと。ある種の体系では目指すところは神の意識だが、神の意識、或いは完全なる統合を果たした時、もう人は人ではなくなってしまうのですね。悟りを得たら死んでしまうと言う方もいますね。

また、心理学でも【統合】という言葉は使われています。

心理学でいうところの統合とは?
…その人の中で心理的・人格的なバランスがとれている状態。「統合性」としても使用される。気持ちや考えが統合されている状態。統合された人格など。

対極性の統合とは、二つのものが一つになるのではなく、互いに存在しながら抵抗しない状態であり、統合性がある状態。必要なのはバランスであるということです。

女性性・男性性の統合性がとれていること、バランスよくあることとは


自分の中での女性性・男性性がバランスよく存在していること。
それは、例えば、自分の中の光と闇の存在に自分で気が付いている状態であり、その上で光が闇を受け容れられている、闇が光を受け容れられている状態であるということです。気が付いているだけでももう受け容れは始まっています。
統合されない状態とは、自分の中の光と闇が互いに戦っている状態、抵抗や葛藤といった抵抗する力が起こっている状態です。

それを心理的なバランスと考えてみた時、例えば自分の中で纏まらない相反する二つの感情が互いに葛藤する状態は、心理的な消耗を起こし、その消耗は気持ちや考え、人格の不安定さを引き起こします。それだけではなくやがて肉体にも影響を及ぼし、それが益々、その人の在り方としてのバランスを崩していく悪循環になるのです。

また、自分の中で女性性・男性性という極性がバランスよくあること、
そのバランスは決して5:5でなければならない、決まった形があるということではありません。
統合しよう、しなければならないという思考がもし強く働くなら、それもまた【求める】性質であり、そこで既に傾きが始まっているのです。


けれどまた、性質上、受け容れる性質が女性性であるなら、受け容れられるのは男性性です対極の統合でありながら、その性質上、受け容れるのは絶対的に女性性になります。


一旦ここで区切ります。
求めるとはそもそも何か?などの疑問も湧いてきますね。


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