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【アートのミカタ】ブルーノ・ムナーリ Brouno Munari

【人物像】超ユーモアな作品だらけ

20世紀に生きたミラノの美術家、ブルーノ・ムナーリ。彼を形容する名は複数に渡ります。
画家、グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、教育者、研究家、芸術評論家、絵本作家…。

生涯を通じてユーモアな作品を数多く展開しています。
「役に立たない機械」や「読めない本」「時間X」など。
肩書きも多いし、作品もヘンテコなので、全体像が掴みにくい人物かもしれません。

工業デザイナーの深澤直人(無印など)は
「偉大なデザイナーがたくさんいる。しかし、偉大なデザインの先生は、ブルーノ・ムナーリだけかもしれない。」と彼を表現しています。一体ムナーリとはどんな人物なのか。紐解いていきましょう。

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役に立たない機械.1934/83

なぜ今、美的センスを磨くのか。どうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える人達がいるそうです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテーマに、少しでも多くの人にアート思考を築くきっかけにならないかと書いています。
まずはそれぞれの画家の特徴を左脳で理解し「頭ではわかった」状態にさせることがこのブログの目標です。あなたがその後、展示等でその画家に改めて触れた時、あなたの美的感覚が研ぎ澄まされるように。その下準備として御活用下さい。あなたの味方となり、見方を変える彼らの創造性を共有します。
目次
【人物像】超ユーモアな作品だらけ
【時代】産業革命後のデザイナーの在り方
【核心】人称の高い「デザインの先生」


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時間X.1963

【時代】産業革命後のデザイナーの在り方

ムナーリが生きた1907-1998年イタリアといえば、産業革命(18世紀19世紀)以降の資本主義社会の転換期です。
過去の芸術を徹底破壊と、機械化による近代社会への賞賛を称え「未来派」と呼ばれる派閥ができましたが、ムナーリも未来派の一人だったとも言われています。
ちなみに以前ここでも書いたルオーは、この時代の移ろいに困惑した画家の一人だったでしょう。

これまで芸術の分野では、画家にせよ音楽家にせよ建築にせよ、職人(アーティスト)と呼ばれる人物が制作し、芸術に一品物としての価値を与えていました。
しかし、産業革命により大量生産品が出回ると所謂デザイナーと呼ばれる人が携わるようになったのだと思います。そんな転換期に、「デザインの先生」のような立ち位置になったのがムナーリです。

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穴のあるコンポジション.1950

【核心】人称の高い「デザインの先生」


彼の著書には時折、起業家を批判する表現があります。
著書、芸術家とデザイナーでは「メーカー側の犯す間違いとは、技術面の設計がとうに進行している段階で、デザイナーを呼びつけ、すでに機械系統が完成している車のボディーを作るように依頼することである。」と記しています。

これは大量生産が始まり企業もスタートアップに取り組んでいる時代に、デザイナーとしての指針を示そうとしたムナーリを表現する一節ではないでしょうか。

彼の著書や作品が一貫して主張しているのは(とはいえとても回りくどい表現のようにも思いますが…)デザイナーとしての在り方だと感じます。だからこそ彼を形容する肩書きがたくさんあるのではないでしょうか。

「デザインとは、ひとつの問題をあらゆる側面をも内包する手段である(ファンタジアより)」とも表現しています。彼に感銘を受ける現代のデザイナーも多くいるでしょう。

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読めない本


ここまで読んでくださってありがとうございます。
まだまだ書ききれないことが沢山ありますが、今回はここで終わります。画家一人一人に焦点を当てると様々なことが見えてきます。環境や時代の中で見つけた生き方や姿勢を、命をかけて提示してくれているんです。現代の私たちにヒントを与えてくれる画家も多くいます。それをぜひ、少しでも多くの人に知ってもらいたいです。

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らち
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