見出し画像

【アートのみかた】人工知能アート AI art

【人物像】AI初の芸術グランプリ獲得

「人物」と言う括りでいいのかは悩みますが、ロンドンで初の人工知能が芸術賞(グランプリ)を獲得したとのことで今回特筆することにしました。
その芸術賞とは、第7回ルーメン賞(Lumen Prize)にて「ブッチャーの息子/マリオ・クリンゲマン」と言う裸婦画です。
GANの連鎖(生成的敵対的ニューラルネットワーク)を使用し、低解像度のサンプルを大量に学習させる過程でノイズを起こし(奇抜思考)芸術的センスを磨くプロセスを踏んでいたようです。徐々に細部やテクスチャ(筆使い)などを学習させて完成させたのが今回の作品です。

これは、人間の芸術家が潜在的に行っている作品制作のプロセスと類似するものがあるのはないでしょうか。
敵対的ニュートラル云々の詳細は(私は残念ながらプログラムの専門家ではないので)調べたり専門家に話を聞いたり等した結果「日常から視点を変えてアイデアを発見する」と言う芸術家のプロセスと似ているような気がします。

そのプロセスがわかりやすくまとめてあるのが「観察の練習」です。(下記詳細)映像作家で多摩美の専任講師もされている方の本ですが、デザイナーがアイデアを発掘するための普段の「観察」方法を事例とともに乗せています。

日常(大量のサンプルデータ)からちょっと変化していること(ノイズ)に視点を向け、アイデアを発掘する作業です。
こうしてみると、人工知能は私たちにスコトーマ(盲点)があることを再認識させてくれるような気すらしてくるのです。

またこうして実際完成した作品を見てみると、人間の存在を再確認するきっかけになりそうです。
作者(マリオさん)は「人間をニュートラルネットワーク(神経回路網)として解釈した作品」だと説明するように、ここからは普段見慣れた人物像を、概念だけ削り出した作品に感じます。

画像1

なぜグローバル企業のトップは美的センスを磨くのか。どうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える人達がいるそうです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテーマに、少しでも多くの人にアート思考を築くきっかけにならないかと書いています。
まずはそれぞれの画家の特徴を左脳で理解し「頭ではわかった」状態にさせることがこのブログの目標です。あなたがその後、展示等でその画家に改めて触れた時、あなたの美的感覚が研ぎ澄まされるように。その下準備として御活用下さい。あなたの味方となり、見方を変える彼らの創造性を共有します。
目次
【人物像】AI初の芸術グランプリ獲得
【時代】人工知能の軌跡
【核心】AIから日常を再認識する


【時代】人工知能の軌跡

1942年、最初のコンピューター(演算処理をする機械)が登場し、その後1970年代にHP-9800シリーズが一般に広がり始めたそうですが、人工知能はその初期段階(1950年とも30年とも)から誕生していたとのことでした。
また概念的にはギリシャ神話からその構想を描いていたようです。その後哲学者などの手により、人間の思考過程を数値で再現する数学論理学」の研究がなされることとなりました。
「人工知能」が私たちの耳に届くずっと以前から、このような未来構想がされていたことに驚きます。

画像2

画像3

また人工知能を芸術の世界に導入する動きは幾つか事例があります。
曲を作成したり*ラジオDJをしたり*人工知能の芸術展で披露されたりなど飛躍的進化を遂げています。

【核心】AIから日常を再認識する

起源は「人間の模倣」が主目的であった人工知能ないし人工知能アートですが、今や人工知能から美的感覚を触発される時代になったのではないかと思います。
人工知能の構築方法が、(人物像にも書きましたが)要素を分解し構築するプロセスを踏む以上、私たちのスコトーマ(盲点)を再認識する手立てになるかもしれません。

いつもたくさんのご支援・ご声援、ありがとうございます。