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【アートのみかた】フェルメール Johannes Vermeer

【人物像】時代を映し撮る「光の画家」

「初めて瞳に白い点を入れた画家」「美しいフェルメール・ブルー」「風俗画の価値観をひっくり返した画家」「カメラ技術に魅了された画家」など、フェルメールを説明する言葉は幅広くあります。

フェルメール以前の絵画といえば、「全体的に暗く、蝋燭の光に照らされた人物を描く」が目立っていたと思います。日本画に比べ油絵が暗く重々しいと感じるのは、長らく褐色や灰色に地塗りしたカンバスに描くものだったからという見解があるようです。また西洋が日照時間の短い地域だった事や、キリスト誕生が夜の馬小屋だった事で夜が神聖なイメージがあったなど、西洋絵画を「暗く」した要因はいくつかあるようです。

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なぜグローバル企業のトップは美的センスを磨くのか。どうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える人達がいるそうです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテーマに、少しでも多くの人にアート思考を築くきっかけにならないかと書いています。

まずはそれぞれの画家の特徴を左脳で理解し「頭ではわかった」状態にさせることがこのブログの目標です。あなたがその後、展示等でその画家に改めて触れた時、あなたの美的感覚が研ぎ澄まされるように。その下準備として御活用下さい。あなたの味方となり、見方を変える彼らの創造性を共有します。
目次
【人物像】時代を映し撮る「光の画家」
【時代】オランダ黄金時代とカメラ技術の登場
【核心】カメラから得た新しい視点
参考文献一覧



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それを思うと、フェルメールが描いた絵画はとても明るく、暖かい日差しを感じる絵に思えてきます。
「ミルクを注ぐ女性1658-59」や「真珠の首飾りの女,1662-65」には、空間を牛耳る白壁が、淡い光と優しい女性の輪郭を映し出しています。

では、なぜフェルメールはその時代に根付いた「絵画のイメージ」を払拭させるようなことができたのでしょうか。

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【時代】オランダ黄金時代とカメラ技術の登場

印象派(19世紀)が登場する以前の1600年代。大バブル期が訪れた当時のオランダでは、超ブルジョア状態で家に絵画を飾るのが当たり前だったそうです。多くの絵画が流通する中、フェルメールは生まれます。

ちなみに1600年の日本といえば、鎖国時代に唯一貿易した西洋国がオランダでしたね。後々のフェルメールの絵画にも、日本文化を匂わせるモチーフが登場しています。例えば着物を「ヤポンセ・ロック」と呼びガウンっぽくおしゃれに着てみたり、東洋の絨毯が机にかけてあったりなどです。

そんな裕福な国でしたが、フェルメールが働き盛りになると(17世紀後半)、衰退の影が忍び寄ります。
1652年の第一次英蘭戦争、1665年の第二次英蘭戦争、1654年の火薬庫の爆発事件など、多くの国を揺るがす事件が重なり街は沈滞。多くの画家が移ってしまったようです。

そんな中、パトロンの支えあって制作を続けていたフェルメールですが、もう一つ、フェルメールを語るに数せない歴史の変革がありました。

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「カメラ・オブスクラ」の登場です。
カメラ・オブスクラの原型となる本ホールを通る光の現象については、古代中国や古代ギリシャ時代から知られていたようですが、フェルメールが生きた前後(15世紀にダヴィンチが注力したなど)からカメラが注目されていたようです。
ちなみにフェルメール以降の印象派(19世紀ごろ)は「カメラ=写実の極みじゃないか!画家の尊厳がなくなるー!」ということで、絵画のテイストがガラリと変わったとも言われています。(他にも要因はありますが、後々書いていこうと思います。)
そんな、世界の画家が影響を受けたカメラの登場ですが、フェルメールの絵画からその片鱗を覗き見ることができます。

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「デルフトの眺望,1660-61」には、たくさんの光の粒(ポワンティエ)が確認できます。
これは光が白つぶれした状態や、カメラに反射した光を写し取ったのではないかと言われているようです。有名な「真珠の首飾りの少女,1665-66」の瞳に入れた白点にも繋がるかもしれません。

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【核心】カメラから得た新しい視点

以上から、フェルメールの絵画は「絵の分野ではない別のジャンル」により、既存の絵画から逸脱した作品を出すに至ったのだということが考えられます。
価値観の多様化した現代より、よっぽど覆す事の難しいであろう17世紀に、このような発想を持った人物がいたことに驚きます。もちろんフェルメールは作品を見るだけでも「美しい」作品ばかりです。しかし彼の頭を少し覗いて見ると、より絵画の魅力を感じることができるのではないでしょうか。
さらにフェルメールからは、今日の私たちの課題を解いてくれるヒントがあるようにも感じます。

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らち
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