アルファベットと漢字:文字の意匠デザイン
毎週ラジオで美術番組を収録していますが、そこでは話せない余韻というか、美術とは直接関係ないことを残しておきたいなあと思い、久しぶりにnoteを開きました。思いついたことをダラダラと書き綴りたい欲求のために書いてます。
文字がそんな得意ではなく、話の人なので美術とかデザインの話が気になる方は、よろしければラジオとかyoutubeをお楽しみください。
さて、今回のきっかけはyoutubeを見あさってた時の話です。
「日」には様々な読み方があって外国人には難しいと言う内容。他にもコメント欄では「生」が150種以上の読み方がある等。
しかし日本人にとって(いや少なくとも私は)読み方が複数あることにあまり違和感を感じてこなかった。そこで起源の整理をしようと。
起源の整理:アルファベット
まずアルファベット。
遡るとアルファベトの元はギリシャ語を書き表すのに用いられる表音文字だという。またギリシャ文字の元であるフェニキア文字も表音文字ということでした。
元々口語体、つまり会話が成り立っていた文化があり、口伝だけで伝えられていた部分を記した。ということになる。私のイメージでは楽譜に近いように感じます。
起源の整理:漢字
一方漢字を遡るとB.C.1300の中国「殷王朝」の甲骨文字は、神との対話のために生まれたのだそうです。対話の延長に生まれたアルファベットとは大きく異なります。
言葉(会話)で成り立つ文化とは別に、「人間とは異なる世界観であらせられる神の言葉」を創造したことになる。
ここで思い出されるのがエジプト文明を支えたヒエログリフです。
表音文字だったアルファベットと異なり、ヒエログリフは表語文字として類されます。意味から形を形成したのは、甲骨文字と類似するでしょう。
音が重要か、意味が重要か
さて話を戻しますが、異国の人から見て漢字の難しさで取り上げられるのは「読み方」であることが、私は面白いところだなと。
小学生のドリルだと、漢字の読み方より書き取り問題の方がよっぽど難易度が高かったなあと記憶してますし、恐らく日本人にとっては「読み方」より「書き方」(綺麗に書けるか、書き順も含め)にフォーカスしていたように感じます。
しかしアルファベットの文化圏からすると、文字は音を表す記号であり、意味を表す記号と認識し辛いのか。
アルファベットのタイポグラフィ
元々、音としての認識しかないアルファベットにデザイン的要素を加えやすいのにはそうゆう要素もあるのかもしれない。
もちろん漢字の方が複雑だからという理由も大きいのだけど。
しかしある程度「型」が決まっている漢字と違い、アルファベットは完全に記号としての役割しか与えられなかった。そこには表現の自由度があり、主だった制約はない。
日本語のタイポグラフィも、ここまでイラストチックに振れば多くあると思いますが、「丁度いいタイポグラフィ」というのにいつも悩む。
自然な書体のバリエーションがアルファベットに比べると少ないなあと感じています。(単に私の力不足もあると思いますが)
引き算のデザインをしてよりシンプルにしようと思う時、どうしても元の要素が多いことにぶつかります。最適解の範囲が狭いと言えばいいのか。
文字の設計デザイン
ということで、今回は文字の設計(意匠)の話でした。
意味がある漢字は深みがあって魅力的ですが、意味がないから光るアルファベットもある。
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