カフェの時間
ひとりでカフェでケーキと紅茶に向かう。
今や開いているカフェも少ないから、休日でも出歩く人もこの街は少ない。かといって閉まる前の数時間は夕食どきだからカフェもがらんとしている。
カフェにはケーキや紅茶を楽しみに来てもいるが、余裕のある時間を買いに来てもいるとも言える。
もしひとと来ていたら、ひとりでは見つけられない世界が話の先に見出せることもあれば、より豊かな時間を過ごせただろう。今はひとり。
日々の緊張を離れて、紅茶に頭をときほぐす。ときにはアイリッシュコーヒーでもいいし、カフェコアントローでもいい、アルコールが少しくらいあってもいい。カフェにたゆたう時間は、時計を見なくて済む時間。時計を忘れさせる時間。糖分を補って大切なものを見つめなおす時間。明日へ進むための時間。
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