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棚ひとつぶんの新刊書店、始めました

※ 自己資金10万円程度で始めました。開業届を出さなくても仕入れのできる取引先について記載しており、基本は買切です(返本できない代わり、掛率低め)。
※ 後述のとおり、この記事は、メモ書きを含む未完成の記事です。約6,500字の時点で公開しました。目次は有料部分に含まれています。

はじめに

 シェア型書店(シェア型本屋)の火付け役となった吉祥寺「ブックマンション」について、クラウドファンディングの応援記事を書いたのは、2019年5月のことです。この記事でした。

 あれから3年半ほど経って、2022年11月現在、私は、とあるシェア型書店に自分も参加して、棚ひとつぶんの本屋さんをしています。

 シェア型書店というのが何であるかは、あとでもう少し書きますが、簡単に言うと、「会員が棚をひとつずつレンタルし、それぞれの棚で個別に本屋さんを営むことができる仕組み」です。運営費を100人くらいで分割するので、つぶれにくいのがお分かりになるでしょうか。
 ハンドメイド作品などの「レンタルショップ」をご存知なら、それの本屋さん版のような見た目になります。ただ、レンタルショップと異なり、会員が持ち回りで店番を務めることで、人件費の問題もクリアしているところが新しいと思います。本屋だからできる、という気もします。

 一つ一つの棚は、たいていの場合、(レンタルショップと同じで)それほど大きくありません。私の参加している書店では、32センチ四方くらいで、本が15冊ほど入ります。
 棚を使ってどういう書店を営むかは、(シェア型書店のコンセプトにもよりますが)棚をレンタルしている会員の自由です。
 新品の本を置く? 読み終わった古本を置く? 同人誌やZINEを置く?

 私の棚では、新刊書店(=新品の本を売る書店)を営んでいます。開業届は出していない、いわゆる副業スタイルで、仕入れルートから卸値で新本を仕入れ、定価で販売しています。
 半年ほどやってきて、もうかってはいません。今のところ毎月赤字です。それでもポツポツ売れていますし、新本を流通させることで紙の本を応援できていると思うと嬉しいです。もう少し色々と工夫して、棚のレンタル代くらいはコンスタントに稼げるように頑張ってみるつもりでいます。

 記憶の新しいうちに、自分の得た知識や経験を書き留めておこうと思いました。公開することで、私と同じように棚ひとつの新刊書店を作ろうとしている方の、調べものの時間を短縮するお手伝いができそう、とも思いました。
 ただ、私はたいへんな無精者でして……、ぜんぶ書くには時間がかかりますし、途中で放り出すかもしれません。小分けに記事を作ったとしても、連載にしたら頓挫しそうです。なので、考えた末、
 ・このひとつの記事にまとめるつもりで書くことにしました。
 ・部分的に読みにくかったりメモ書きだったりしますけど公開します。
 ・書き足して行く気持ちはありますが、お約束はできません。
 それで良ければ、参考資料としてお役立てください。
 2022年夏ごろの情報(体験)を中心にして書いていますので、最新情報が必要なかたは、ご自身で必ず調査・確認をしてください。

 棚ひとつの新刊書店が、10個、100個と増えていけば、紙の本を支える新しい力になるかもしれません。みんなで棚ひとつずつ新刊書店をやりましょう。
 以下は有料となりますが、おおよその内容として、
・前提知識として簡単に、再販制度とシェア型本屋のこと、
仕入れ先のこと(ここがメイン。契約したものも調査中のものも)、
・売れるための工夫(ごく普通のことばかりです)、
・大型ネット書店との差別化(たいしたこと書けてないです)、
・ネットショップについて(主にBASEのこと、まだメモ)、
・会計のこと(自宅用や閲覧サンプル用の本の仕訳)
を書いています。

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