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密室のプログレッシブ

 2016年から始まったサンダース現象は社会的に自国第一の右派が政権を獲得する時代において、主に若者を中核に巻き起こった政治運動です。サンダースだけではなくアレクサンドリア・オカシオコルテスなど若い女性候補が左派グループ「正義の民主党」を結成。これは世界各国の左派に影響を与え「若手」「女性」「多様性」ということをキーワードに相次ぎ現代進歩派国政議員を誕生させています。その時代から7年。ブームはかつてほどの勢いこそ失いましたが、いまだ根強い支持があります。ただやはりトラブルもあります。特にロシアのウクライナ侵攻において「正義の民主党」グループは「ただちに戦争を辞めるべき!」と言う旨の主張をし、批判を浴びました。戦争を止めたい気持ちは皆同じ思いですが、侵略者はそんなことでは辞めてくれません。私も散々に左派にはというか自分も左派なのでボロクソに言っています。左派が権威主義になったら何も意味がないんでモノ申します。
 プーチンには戦争犯罪人として裁きを受けてもらいたいです。彼は多くの人を不幸にしました。左右問わず許せないでしょう。国際労働組合連合は権威主義と極右に闘うという運動方針を決定しました。私もプーチン権威主義とロシア民族主義には対抗し、その政権下で暮らす大勢のロシア市民と連帯します。

日本プログレッシブ議員連盟とは

 サンダース現象に触発された超党派40人ほどの議員がアメリカには既にあるプログレッシブ議員連盟と連携するため、新しい外交と進歩的な政治を目指すために「日本プログレッシブ議員連盟」を結成しました。注目のサンダース派(向こうは下院議員だけで100人いるらしいですが)との連携は多少新聞に載り、今後大々的に活動するはずでしたが所属議員を含めてほとんど活動内容は沈黙。ネット上の自称リベラル派(彼らは相当権威主義的なのですが)も大騒ぎしてもいいのですが、ほとんど知られておらず誰も話題にしていません。実際聞いたことある人いますか?
 この議連の会長は中川正春。自民党を離党し日本新党から新進党などを経て民主党、現在の立憲民主党に所属しています。経歴だけ見れば保守系ですね。政策面は昭和自民党に少数派ながら存続した三木武夫グループなど尊憲派に近いのですが。会長代行は近藤昭一。新生党の公認漏れからさきがけに移籍。初代民主党に参加しました。父は民社党名古屋市議。若手の頃「リベラルの会」の会長に就任しています。あくまで経歴だけで判断すると、これまた中川正春と同じようなものですが、近藤はまだ情報発信するほうで国際政党間交流について「進歩同盟」「アジア社会民主主義ネットワーク」などに寄稿しています。
 事務局長は前任は屋良朝博。これは第二次小沢自由党から立憲民主党へ。第一次自由党はともかく第二次自由党はかなり政策転換したのですが、これもやはり保守の経歴でしょうね。現在の事務局長は小熊慎司。自民党からみんなの党や維新を経てなんやかんやあり立憲民主党です。これもいうまでもありません。
 他にも福島瑞穂社会民主党党首、国民民主党から若手の斎藤アレックスや長友慎治なども参加。労働組合出身者も参加しています(なぜかNTT労組出身者が多めですが)重鎮議員で参加しているのは原口一博や海江田万里なども参加しています。原口はともかく海江田も元々政治人生を税金党から始めているのでサンダース流プログレッシブとは違うような気もしますが。
 さて皆さん、ここまでズラズラ参加議員を述べてきました。40名ほどのグループなんでまだ紹介していない人もいます。ただ一つ疑問に思いませんか?これ本当に日本の進歩派議員団なのか?


新外交イニシアティブとは?

 「新外交イニシアティブ」は人権派弁護士である猿田佐世氏が中心に運営するアメリカ従属ではなく新しい外交を目指すシンクタンクです。言われてみれば猿田氏のように大学は外国で学び、政治学を修めた経歴を持つ日本プログレ議員にも多い気がします。労組・民主党界隈で有名な山口二郎氏など第一次安倍政権で栁澤協二氏で内閣官房副長官補を務めながら第二次安倍政権では批判を繰り返した人物も評議員の1人です。左派といえば左派かもしませんがすっと喉元が過ぎる人材でもないような・・。議員外交や知識人外交を増やしていこうと言う立場には賛同しますが、何かちょっと信用できない感もありますね。山口二郎氏は小選挙区制を大々的に推し、民主党のブレーンになり、それが無残な結果になるとまるで自分は最初から関係なかったかのようにふるまった人間ですから。彼ら学者にとって政党は玩具で労組などはその玩具を動かす動力かなにかとしか思っていません。一応日本社会党と民主党二つの野党第一党を壊した責任感は全く感じてないのでしょうか?

与党に説明責任があるように野党にもある

 与党は当然政治政策を担っているから一つ一つ説明責任はあるはずです。そして野党にも政策には必ず根拠があるはずです。万年野党を目指しているのではなく、彼らは信念のために与党として政策を実行したいはずだから。別に万年野党でいいならティックトックで阿波踊りでもパラパラでも踊っておけばいいのです。それだけで盲従派は「庶民的」とでも言ってもらえるから。
 「新外交イニシアティブ」では日米のプログレ議員たちが協働署名で「米『核兵器先制不使用』」宣言なるものに共同署名しました。多くの方が指摘していました。noteにも疑問を投げかける人もいます。日本は非核三原則を堅持する国で共同宣言には「核の先制不使用は、すでに日米同盟の事実上の政策となっています」となっているのはそもそも非核三原則と兼ね合いはどうなるのでしょうか?そもそも違憲ではないのか?と言う議論もある中で日米対等を目指したプログレ議員も結局はアメリカの代弁者ではないか?という疑問です。
 実際この宣言についておかしな点を指摘する人も大勢います。宣言は確かに核の先制不使用は高らかに禁止していますが、「報復」使用に関しては一言の文言もないのです。事実上アメリカの核の傘に入ったのをプログレ議員団も追認した格好です。核兵器に関して言えば反対派も大勢いる日本の有権者に保守派でもないプログレッシブを自称する議員がこれを声高に宣伝するのはまずいでしょう。政策決定には大勢の人が携わり大勢の人が様々な立場で議員に「教え諭す」でしょう。どのような過程を経て、どういう議論が交わされたのか?私は野党にも説明を求めます。明日の政権与党です。透明性を高めることが政権獲得の第一歩です。

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