今さら「カメラを止めるな!」の感想をつぶやいてみる。

=一部ネタバレあります=

9月1日。
やっと「カメラを止めるな!」を鑑賞。金沢での公開は大変遅く、やっと見ることができると感慨深かった。そして、公開からだいぶ経つのにいままでネタバレというネタバレをほぼ見ることがなかったことがすごい良かったし、余計にワクワクの感情を増幅させた。

当日。
19時台の上映で、終わるのは21時を回るにもかかわらず、老若男女がたくさん。それだけ話題である証拠だし、何より1日は映画が安く見られるから、余計に多くのひとが集まったのだろう。久しぶりに満席に近い状況で映画を観た気がした。

上映。
前半パート(ワンカットシーン)では違和感を感じつつも、中間(撮影の経緯)、後半パート(撮影シーンの裏側)に進んでいく。すると、後半パートでは映画館中で爆笑に近い笑い声が。一緒に観たツレも声を出しながら笑っていた。そして私は、

「え!? 確かに面白いけどここまで笑うものなの!?」

と、周りの反応にただただ驚いていた。

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上映終了後、ツレに
「めちゃくちゃ面白い作品だったけど、あそこまで声出して爆笑するほどだった?」と聞いたところ、
「え!? 感情移入しすぎでしょwww」
とあしらわれた。
確かに、めちゃくちゃおもしろい作品だった。しかし、私は爆笑しながら見るほどではないな、と感じた。
私が観ていて感じていたのは、
◆前半のワンカット演出
・めっっちゃ大変だっただろうけど脚本の作り、カメラワークがめちゃくちゃすごいわ
・ワンカット演出やってみたい
◆後半の撮影シーンの裏側
・なるほど、こうやって作っていたんだなー
・これは裏方めっちゃ大変やんww わかるわかる〜

といった感情であり、最後には「あー、大学の時みたいに自主映画もう一度みんなでワイワイ楽しみながら撮りたいなぁ・・・」という気分になっていた。
この気持ち、ツレにはわかってもらえなかったが、とある一人の友人が、理解してくれた。
その友人は、私と同じく、映像作品の脚本・演出・監督をやったことがある人物だった。

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 私は大学時代、映画研究会に属しており、宅飲みを楽しみつつ、映画にもならないようなクソのような映像作品をつくり、サークルの中だけで楽しんでいた。このサークルでは、基本的に脚本を書いた人がカメラをやり、監督をやり、編集もやるスタイルだった。私も、撮りたいものを思いついたら脚本を作り、カメラをやり、監督をやり、編集をやった。
 ちなみにツレも同じサークルに所属していたが、基本的に役者担当であり、自らは脚本・カメラ・監督・編集をやったことがない。

ここで、私の中で仮説が生まれた。

一度でも映像作品づくりに携わったことがあるかどうかで、「カメラを止めるな!」の見方や面白いと感じるポイントが変わる。

ツレをはじめ、多くの人は映像作品など作ったことはないだろう。ましてや、仲間で協力しながら試行錯誤して映像作品をつくるなんて、大学時代に映画研究会に所属していないと難しい。そのような映像作品を作ったことがない人たちは、後半パートの裏方の大変さ、伏線回収のポイントにギャグ性を感じ、笑いに昇華していたのではないか。

私や友人は、一度でも映像作品を作っているため、後半パートの裏方のハラハラ感、ギリギリ感、必死感にすごく親近感を覚え、伏線回収のポイントでも、あれがここにくるのか〜と感心し、そして撮影中のワクワク感に、自ら作品を作っていたときのドキドキを思い出し、「あの頃のように映像作品を作りたい」と創作欲がかきたてられたのではないか。

同じ「面白い」でも、「コメディとしての面白さ(ワハハハ)」と「創作したくなる面白さ(ワクワク)」の2つの「面白い」が生まれる作品。それが「カメラを止めるな!」のめちゃくちゃ面白いポイントなんじゃないかな、と思ったのでした。

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