モノ、空間交換はじめます①

当店２Fに貸しスペースを作ることにした経緯

店を始めてから２年半過ごした店舗を離れ、
ひょんなことから３F建てのビル１棟を借りることになった。
今までが７坪の極小店舗だったのが、１フロア１５坪ｘ３F
＝４５坪　延床でいうと約６倍の広さである。

１Fは雑貨店、３Fは当面倉庫と決めていた。
２Fをどうするか迷ったあげく、DIYパーツ専門フロアと
作業ができる工場スペースを考えていたが、
いろんな人が行きかう場を作った方が、楽しい予感がして方向転換。
とりあえずキッチンを作ることからこの企画が始まったのだった。

まず店で取り扱っている商品をキッチンスペースに置き、
体験型のモデルルームのようなものを作ろうと思ったが、
いざ店のアイテムを見てみるとキッチン道具を
全てまかなえるほどには商品がなかった。

雑貨屋経営という仕事柄、取り扱う商品は十分吟味して選びたい。
そうなってくるとすべての道具が揃うのはいつになるのかわからない。

またいざ作ってみたが、予算をほとんどキッチンまわりの
リノベーションにつぎ込んでしまったため
キッチン道具などを用意する予算がなかった。

そこで思いついたのが、スペースをタダで貸す代わりに、
家にある不用なキッチン道具をわけてもらえないだろうかという
考えに至ったのだ。

しかし、ただ道具を譲ってもらうだけでは味気ないし、
使用料をいただいて、ホームセンターかどこかでさっさと
揃えてしまえばよい話だ。

せっかくやるのであれば、代わりにもらうものを限定しない。
利用者に全てをゆだねてみようと思った。

なけなしの貯金をはたいて、このスペースを作ったのだから、
１円でも多く、早く儲けたい気持ちはある。が、
「お金」という枠組みを取っ払うと何が出てくるのか？
どのような気持ちになるのか？
お金をもらうよりも良い作用が起こるのか？

かくして、「モノ、空間交換」企画の誕生である。
小さな実験のスタートだ。