ウパ水槽の水質悪化の経緯と対策
皆様、飼育環境には気をつけていますか?
当ラボの調査結果として、これまで
硬水・汽水環境(ミネ水※)+強いフィルターろ過
の構成が好ましいと報告してきました。
また、週一程度の頻度で水換え、月1のフィルター掃除をするとより一層安心であるとも、一部お伝えしてきました。
世話が行き届かないと、ともすれば以下の過去記事のような惨事になり得ます…(泣)
分析は不十分ですが、トラブルの原因として色々な可能性が挙げられました。
https://note.com/lab_new2/n/nc8d6f2b09b8d
そんなこんなで、今回は、幾つかの飼育相談や治療相談から見えてきた、ウパが体調を崩しやすい条件と原因やその経緯などについて簡単に紹介していきます!
さて、皆様の飼育環境はいかがでしょうか…?
[危険な例1]
【狭い水槽+外掛けフィルター】
のような構成はウパに悪い可能性大です!
濾過力が足りない
↓
バクテリアが酸を出してpHが下がる
orアンモニアで残りpHが上がる
↓
皮膚が特に酸にダメージを受ける
↓
細菌感染症になる
↓
気づかず放置になる
↓
免疫力が低いので手遅れに…
となり得ます。
これは、濾過力が低すぎると、ウパがだした排泄物で雑菌が増えるからです。
勿論、水槽が安定していても、濾過バクテリアが酸を生み出すので、ちゃんと水換えや管理をしないとpHがまた低くなります。
それは、砂や石を入れて、カルシウム等の無機イオンを補ったりすることでもやや抑制できますね。
いわゆるKH値の最適化という作業です。
すなわち、ちゃんとした環境であっても、
水槽の管理自体が甘いと良くないということです。
ろ過不足よりは多少安全ですが…🤔
[危険な例2]
【オーバーフローなどの過剰なろ過をしたり、
水を変えずに長期間放置した場合…】
濾過は促進され、濾過サイクル自体は回る
↓
しかし、濾過が進みすぎて大量の硝酸が蓄積する
↓
(pHが低くなり肌荒れ)
↓
細菌感染症になる
(濾材にいる有益なろ過バクテリアも、勿論増えすぎると免疫系に刺激になる場合も有り得る)
↓
気づかず放置になる
↓
免疫力が低いので手遅れになる
となり得ますね。
[危険な例3]
【塩分やミネラル調整を誤った場合】
既存の添加剤やサプリには、麦飯石の粉末や塩化ナトリウム等の塩分を含みます。
また、外部フィルターにも塩分がヘドロと一緒に蓄積する場合もあります。
すなわち、掃除を全くしなかったり、サプリやミネラルに頼りすぎると、水の硬度や塩分濃度の過剰な上昇が起こる場合もあるかも……。
定期的に、
・汽水飼育なら定期的に塩分を測定する (月1)
・定期的な全替水(特に汽水の場合は週1回以上)
・定期的に塩分濃度を半分以下にする(2週間毎)
・定期的なフィルター掃除 (月1くらい?)
・ヘドロの除去などする (月1回〜2か月に1回)
・カルキ抜きやサプリ液に塩分が含まれる場合が
あるので、単独で効果が強い製品とミネラル水
を併用しない または 併用する場合は0.2%以下
まで添加する塩分濃度を下げる
などを対処すると、より安心かもしれません。
市販サプリの場合、(未記載でも) 希釈すると塩分が0.05〜0.1%程度になるように調整されている場合が多いので、汽水と併用の際は 高くても0.15〜0.2%の塩の追加に留めましょう!
余談ですが、過去の調査で、
水の硬度補助としての牡蠣殻によるpH上昇効果が、CaCO3が溶出するから、というのは本当?
という疑問について追究しました。
アルカリ化でpHを上げるとされる牡蠣殻。
勿論、粉末や断片ならば、一部Caが補填される可能性はあれど、一部検証の結果、pHをそこまで上昇させる程では無さそうです。
石灰石単体では効果が弱い。
→ 表面の吸着力も共に重要かも?
と考えています。
いよいよ現在、調査内容を雑誌記事にまとめておりますので、皆様お楽しみに!
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※当ラボは、ミネ水 (ミネラル含有水) によるウーパールーパーの飼育法を推奨しています。
当ラボで調査・開発した手法です。
汽水条件である0.2〜0.3%になるよう、塩水を作成し、そのままウーパールーパーを飼育する方法です。高ミネラルや浸透圧の効果により、成長促進や細菌感染症予防の効果が期待できます。
当ラボの文献にて、これまでの検証結果を紹介しております。
記事発行元 ❴ウーパールーパー研究室_はるらぼ❵
Twitter https://t.co/pqlD1jrczZ
【代表: 杉山 遥 (すぎやま はるか); 理学博士 (生物学)】
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