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目黒シネマで映画「テルマ&ルイーズ」/「レザボア・ドッグス」


目黒シネマ

久しぶりに目黒シネマさんで映画鑑賞してきました。目黒シネマさんは二本立て上映してくれてることが多いですが、今回は「90's SELECTION」企画で一本ごと完全入替制。
その中から「テルマ&ルイーズ」と「レザボア・ドッグス」を続けて観させていただきました。



「テルマ&ルイーズ」(1991年)

 リドリー・スコット監督作品。時々リバイバルもされていて、名作であろうことはうかがい知れていましたが、なんとなく観ないままでした。ちょうど最近、友人の好評ツイートを見かけたところだったのもあり、この機会にスクリーンで観てみることに。

テルマは気が弱そうな専業主婦で、いつも家事に追われて羽をのばすことはできていない様子。旦那は威張っていて、仕事で遅くなると言っている日は浮気しているらしい。テルマの友人のルイーズはレストランのウェイトレスとして働いていて、厨房でタバコなんか吸ってる気が強そうでちょっと不良っぽいお姉さん。そして不良っぽい恋人がいる。
二人は週末にバカンスに行くことにしていたが、テルマはそれを旦那に言うこともできず、夕飯の準備だけして結局黙って出てきていた。ルイーズの青いコンバーチブルで意気揚々と出かける二人だったが、途中立ち寄ったバーで女ったらしの男にテルマが目をつけられる。テルマは酔わされた末に店の外にひとり連れ出されレイプされかけるが、ルイーズが銃を持って駆けつけ(テルマが護身用に家から持ち出した銃)逃れることができた。しかし男が卑猥な言葉を浴びせてしつこく挑発すると、ルイーズは男を撃ち殺してしまう。二人は兎にも角にもその場から逃走する。ここから二人のとんだ逃避行が始まる。

“女二人の逃避行”程度の予備知識で鑑賞したのですが、期待を大きく上回る満足度でした。テンポの良さと映像演出の素晴らしさ、そして二人の心の変化に合わせてロケーションが移り変わっていく見事な描写に脱帽です。町から田舎へ、そして荒野のハイウェイ、最後は青い空と赤茶色の広大な渓谷だけが広がるグランドキャニオン。彼女たちの心が焦燥感や絶望感にかられていくと同時に、縛られていたものから完全に解放されていく。ドローンなんてまだない時代、荒野を走る車を空撮するのも大変だったと思うが、ひとつひとつのカットが、この作品に欠くことのできない大切なカットになっている。リドリー・スコット監督讃。
90年代はまだ女性が社会的に抑圧されていた時代だったんだなとあらためて感じる。30年ひと昔。


「レザボア・ドッグス」(1992年)

「テルマ&ルイーズ」のすぐあとの上映だったので、この機会にスクリーンで鑑賞させていただきました。クエンティン・タランティーノ監督作品。昔20代の頃にレンタルで観て以来二度目の鑑賞です。

黒いスーツ姿の雇われ強盗が六人、レストランで他愛のない雑談を済ませ、ターゲットの宝石店に向かうオープニング。そして次に場面が切り替わるともう事が済んだあと、車で逃走するホワイトとオレンジ。オレンジは腹を撃たれて重傷だ。集合場所の倉庫に命からがら逃げ込む。そしてあとからピンク(本名は伏せてコードネームで呼び合う)が倉庫に逃げ込んでくる。六人は打ち合わせ通り宝石店を襲ったが、警察が待ち伏せていて銃撃戦になりこの顛末だ。やがてブロンドも警察官を人質に倉庫にやってくる。他の二人は逃走中に射殺された。警察が待ち伏せていたということは、たれこんだ裏切り者がこの中にいる筈だと言い争いが始まる。裏切り者は誰なのか、疑心暗鬼の倉庫内。人質の警察官を拷問して吐かせるか。オレンジは死にそうだし、モタモタしてると警察がここを嗅ぎつけるかもしれない、、
各々が雇われる場面や全員での打ち合わせの回想シーンがあとから順に映し出され、徐々に真実が明らかになっていく。

ストーリーはわかっていたし、裏切り者が誰かも知っているうえで懐かしく観させてもらいました。
初めて観た当時のことを思い出す。タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」(1994年)が面白かったので同監督の別作品も観てみたくてレンタルした。
ストーリーには直接関係ない至極どうでもいい会話が多いが、そこから滲み出る登場人物の性格、互いの関係性がうかがえるのがこの作品の味。時間軸を前後入れ替えてストーリーの隠された部分を徐々に明かして引きこんでいくのも特徴的。往年のヒットナンバーを使用しているのもオシャレだ。
バイオレンスでスタイリッシュな作品が流行った時期があった。そういう作品を観ることがひとつのファッションになっていたような気がする。


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