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第13回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ 2024.3.31

第13回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ
於:ミューザ川崎シンフォニーホール

マーラー/交響曲第10番より「アダージョ」
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲

指揮:シルヴァン・カンブルラン

首都圏音楽大学の学生選抜による合同オーケストラ演奏会。
ラヴェル「ダフニスとクロエ」全曲は、もともと2021年に予定されていたプログラムだったのが、新型コロナ蔓延のため延期され、今回あらためてのプログラムになったそうです。3年前の学生さんたちは、こうした檜舞台での演奏機会や、他大学との交流をはじめ学生時代ならではの経験があまりできなかったかもしれない。その悔しい経験を人生の糧にして、大きく羽ばたいてくれていることを祈ります。
その「ダフニスとクロエ」全曲は合唱付きでの演奏。オケも合唱も大変立派な演奏でした。まだ学生さんといっても流石は音大生です。特に感動したのはフルートのソロ。音色が抜群に素晴らしかった。ホールが最も喜ぶツボにハマったような、あの広い空間が美しい歌声で満たされているのを感じた。稀有な音楽体験でした。
ダフクロは昔吹奏楽でやったことがあります。後半をまとめた第2組曲だったはず。吹奏楽団時代はやる曲やる曲どれも難しかったから、ダフクロもそんな難曲群のひとつとして、大変だったことだけはなんとなく覚えてる。
管楽器のシブいソロが続く全曲版の前半もカッコいいですが、演奏会として映えるのはやっぱり後半ですね。
ラヴェルは吹奏楽・オケ通じて他にも何曲かやったことありますが、僕の中では聴くのは気持ち良いけどやるのは辛い人。来年2025年は生誕150年のメモリアルイヤー。

▼「ダフニスとクロエ」第2組曲

マーラーの交響曲第10番は未完の交響曲。マーラーは1910年の夏からこの交響曲の作曲を始めたが、翌年1911年の2月に亡くなってしまった。第一楽章のアダージョは完成していたが、他の楽章はスケッチだけが残されていた。後に他の研究者によって補筆された完成版もあるが、今回のようにアダージョのみで演奏されることも多い。それでも約25分あって十分聴き応えはある。
この日の演奏は冒頭からヴィオラがとても素晴らしく、その後も随所に存在感を示していた。弦楽合奏の美しいこと。正直マーラーの10番はイマイチその良さがわからなかったのだけれど、またもやミューザの美しい響きのおかげで開眼。演奏後に指揮者が各パートを立たせて讃えてくれる。その中でやはりヴィオラに一番の拍手が贈られた。

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