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Hvalaセルビア‐43:墓石と記念撮影

観光客ではなさそうな人々が鮮やかな花が囲む噴水を抜け、チトーを祀る「花の家」に入っていく。年齢も老若男女、ベビーカーを押す家族の姿もある。花の家の向かいにある公園ではカップルがベンチに座って楽しそうに話しこんでいた。

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はて?ここは追悼の場みたいなモンなんだよね?と思いながら建物の中に入ると、訪問者が記名できるノートがある。
ペラペラとページをめくってみたが、漢字は見当たらない。
「○○From○○」と氏名と国籍が並んだ記載が幾つかある。
ペンを取り自分の名前を漢字で書き、カッコ内にアルファベット、最後にFrom Japanと記した。

中に進むとすぐ正面にチトーの墓石があり、みずみずしい花束が飾られてた。墓石の周りをぐるっと年表と資料が囲んでいる。
英語記載はごく一部にとどまっているので全容が掴みきれないが、見る限りはチトーのバイオグラフィーと各国首脳との記念撮影写真が主な展示物だった。

人々はあたかもインスタ映えする観光スポットであるかのように墓石の前で記念撮影をしている。満面の笑みで抱き合って撮るカップルもいた。
心霊写真にならないのかね?
そんなふうに考えながら自分もパチリ。無事だった。

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30~40代のオンライン英会話講師から「ユーゴスラビア時代は良かった」というぼやきを何度か聞いた。チトー全盛期ではない世代にとっても、かつてのリーダーの存在は大きいのだろう。
果たして近代日本でこんなふうに慕われる政治家っていたかしら?

※To Be Continued「Hvalaセルビア‐44」へ続く。

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