見出し画像

映画感想

満島ひかりさんのInstagramから知りました、
『川っぺりムコリッタ』。

公式HPを見てみたら、すきな俳優さんしか出ていない。
いてもたってもいられず、観に行きました。

松山ケンイチさんが炊飯器をあけて、
炊きたての白米の匂いをかぐ。

ごはんを前に、手をあわせて
いただきます
と口にする。

思わずうめき声をあげてしまうほどの白米のあまみ。

ムロさんや柄本さんや吉岡くんの少し奇妙な言動や満島さんの艶、
ちりばめられたことばの数々もさることながら
私の記憶に残っているのは
やはりものを食べる場面です。
なぜなら、
ここのところ、「食べる」ことと
どうしようもなく向き合っているからなのだと思います。

ほんの、1週間前まで、
たくさんのものを、
たくさんの味を、
一度に味わわなくては満たされなかったのが嘘のよう。
もしかしたら、満たされない満たされないと、
頭で唱えていただけなんじゃないかと思うほど、
ご飯とお味噌汁と納豆で
大満足のお昼。

たった1週間の食生活で、
丸2ヶ月、きちんとやってこなかった生理が、今朝。
ごはんを食べたら、痛みもひいて。


そしてこんなにも、
死と生がおもしろおかしく共存している映画は
はじめてでした。
どちらかが大きく描かれることもなく
どちらかが美しく描かれることもなく。

はじめは死を忌んでいた松山さんも
だんだんと、うちとけていく姿がふしぎで。
あまりにも自然で。
だけど本来は、
私たちも、そうだったんでしょうね。
死も隣人も、
いつのまにか遠のいてしまった。

映画をみながら、

ああ、生きることは死を含むんだ

と、まるであたらしいことばにであったかのような発見でした。

yogaの先生が、よく言われます。
生きることと死ぬことは同じことでしょ
と。

私は未だその意味が腑に落ちていないけれど、
ほんのすこしだけ、
わかったような気がしました。


そしてごはんはたしかに、一人よりも誰かと食べる方が美味しいけれど、
1人で食べても十分おいしいと、
自炊をはじめたばかりの
いまの私は思うのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?