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あの頃。

夢を見た。

中学の頃の友人や知り合いが出てきて、場所も、中学か小学校のようだった

なのに、話題にしていたのがワクチンの話なのだから、意識は今のままなのだ、と笑ってしまう。

彼女らはあの頃のままだった。
そりゃそうだ。あれから会っていないのだから、私の中の彼女らの記憶は中学生で止まっている。

あの頃のまま、変わらない姿で今を話す。
夢の中で鏡を見ていたら、自分もきっと、あの頃の姿をしていたのかもしれない。

目が覚めて、夢だなぁと思い、今はすっかり会わなくなってしまった彼女らを想い、ずいぶんと遠くまで来たと思った。

あれから、皆バラバラの高校に行き、そこから先の消息は詳しく知らない。
田舎ゆえ、高卒で働くことも珍しくない。
きっと、それぞれ異なるライフステージを歩んでいるんだと思う。

私自身は、高校受験に失敗したことで人生が変わった。
あの時、地元の公立高校に受かっていたら、今ここに私はいないし、私を取り囲む環境も、人々も、まるで違うはずだ。

受験は失敗したけれど、私はこの人生を、後悔していない。
勉強漬けではない高校生活を羨むことも、今でも日々、些事に迷うこともあるけど、この道に来たからこそ出逢えた人がいるし、世界は広がった。

地元を出たいと思っていたけれど、実際に出てみれば、思っていた以上に世界は広かった。
自分とよく似た人にも会えたし、地元には絶対居ないような人にも会えた。
外から見ることで、地元の捉え方も変わった。
あんなに離れたかったのに、離れてしまえば懐かしく思う。

昨日の夢に見た頃、私は田舎の中学生で、周りには同じような経験を経てきた人がたくさんいた。
地元を離れた頃、私は関東に出てきた大学生で、自分とは違う土地で同じ年月を生きてきた、自分によく似た人達に出会った。
社会人の今、私は関東に暮らしながら、実に様々な経歴、年齢、価値観の人と出会っている。

あの頃の私に会ったら、私はこう言いたい。
「大丈夫、君の選ぶ道の先で、私はそれなりに楽しくやってるから」




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