緑のリズム (短編小説)
小説の書き方は、100人いれば100通りある。つまり、書けない理由も100通り。ということだ。書けないとは、書くことができないと思っていることである。それは、書くことを思って生きていることだ。白鳥(しらとり)緑( みどり)は、多分こういうことを言っていた。
なぜ今ここで、彼女のことを思い出しているかというと、まさに、書けないからだ。いや、書いてはいる。ただ、物語が始まると、また別の物語が始まっていく。物語は、未完成なのだ。
小説を書こうと決めたとき、私は、自分の中の情熱に