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同人アンソロジーを主催した話

鍵垢でのあらすじ

同人誌で出したいテーマの本を個人誌で考えていたら友人が寄稿と協力を申し出てくれたのでその日のうちにアンソロジーとして発行することを決めた。

以下二次創作の話をします。実在の人物や会社等とは全くの無関係です。

実在の人物が転生したという設定のゲームで、生前は元祖鉄オタというキャラクターがいます。
その先生に色々な電車に乗って欲しくて企画しました。

概要を決める

まず1月に自ジャンルWEBオンリーがあったので発行日はそれにあわせることに。
伝手がそこまでないのと、色んな方の色んな電車に乗った話が読みたい為に公募制に決定。
やりたい装丁があったので(後述)締切から逆算して台割り作業やらなんやらを考えて切りのいい日付で寄稿の締切を設定。
原稿サイズは主催が小説を書く人かつ漫画も欲しいのでA5一択。
ページ数は多いほど嬉しいし、1Pでも寄稿いただけるとありがたいので上限も下限も決めず。
あとは諸々の制約・原稿規定を考え、調整。
募集方法は別の時に使って便利だったのでGoogleフォームを採用。
さくさく決めて翌日にはアンソロ用のTwitterアカウントを公開しました。

告知について

毎日同じような告知だと飽きるしスルーされるので何かしらのフックを入れようとなり、アンソロのテーマに沿って生前の先生と鉄道に関係したツイートを1ヶ月間、数日おきにすることにしました。
途中で写真だけでなく告知用の画像を添付するなどブラッシュアップも行いつつなんとか完遂しました。
この施策は結構好評でしたし、母体イベント主催様にも感心されました。
下記にその時のツイートを纏めてあります。

装丁について

とにかく自身にデザインセンスや色彩感覚が欠如しているので、前述の友人に協力していただけたのは助かりました。ありがとう。
表紙イラストも別の友人にお願い出来たので、お二人に全てお任せすることに。
主催の確固たる希望としては鉄道イメージだからメタル用紙を使いたかったくらいで、あとはふんわりと。
「キャラはこれから旅立つぞ、という感じで、背景はびっくかめら風?」
といったどうしようもないものでした。
なおキャラのラフがあがってきた時点で夢属性(キャラに恋すること)がないのにうっかり惚れそうになる素晴らしさで、
「本当にこの背景にびっくかめらして大丈夫?」
とビビり散らかしましたが、最終的にお出しされたのがこちらです。

アンソロ表紙

びっくかめら風がこんな素敵になると思う?!
センスのいい人はクライアントの無茶振りも素敵にしてしまうのだなあ、と思いました。
装丁まわりの詳細は友人の書いたこちらの記事に詳しいです。

ノベルティについて

フェアでしおりとポストカードをつけるかなあ、と考えてデザイン担当の友人に伝えていたのですが、表紙担当の子がラフの段階で表情差分をつけてきまして――。
「この差分をノベルティにしたい!某SNS風のクリアポストカードにしたい!……いい?」
となりポストカードは別に注文することに。
しおりもデザインお任せにしたらアンソロのテーマにふさわしく素敵なものが仕上がり――。
「このICカードのデザインのステッカー欲しい!寄稿者の方へのお礼で作ってよい?」
となり別で作成することに。デジャビュ。
実際のノベルティはこんな感じです。

ポストカード
しおり
ICカードステッカー(寄稿者の方へのお礼用)

試し刷りについて

メタル用紙のサンプルを見ていると結構映り込みが激しいことが判明。
かなりギリギリのタイミングでしたが印刷所へ試し刷りをお願いすることにしました。
また、メタル系用紙の供給がやばそうという話を聞いていたのでビクビクしていたのですが。

試し刷りをお願いした後に告知されました!
追加された用紙の方がイメージに近いということで、試し刷りの結果を見て調整をしつつ、こちらの用紙を使用することに決定。
また、ノベルティのポストカードも試し刷りが出来たのでこちらも依頼をしました。
その結果、キャラの色味が濃く出てしまったので本番時は調整を行いました。

左が本番、右が試し刷り

これらは実際試してみないとわからないことだったなあ、と思います。
個人誌だとここまで時間も手間もかけられないですが……。
なおどちらも当然別料金がかかります。

スケジュールについて

寄稿原稿締切からイベントまでのスケジュールは逐次共有をし、基本はそれまでに間に合うよう作業を行いました。

カレンダー(1月分)

こういうカレンダーを作成しました。なお11月分と12月分は作業が終わったので削除済みです。消さなきゃよかった。
実際は前倒しで作業完了しているものもあったので順調な方かな、と思いますが、正月休みをアンソロ作業に割いた結果ともいいます。

刷り上がり

実際のアンソロジーはこちらになります!

アンソロジー写真

すごく素敵……でも写真だと実際の良さの三分の一も伝わってこない……。
予想以上に車両感が出ているし、イラストもモチーフも最高の出来映え……見えないけれど本文もどれもよい……。
そしてここで奥付に印刷所の記載がないことに気が付きました。よく刷ってもらえましたね?!
プリントオンさん最高の本をありがとうございます、そして誠に申し訳ございません……。

発送について

アンソロ企画を立ち上げた際はアテがあったので通販はBOOTHの匿名通販で行う旨を告知をしたのですが、そのアテがなくなってしまい、少し離れた営業所へ自力で持ち込み発送をすることに……。タクりました……。
補足するとコンビニ発送の場合は一度に10通以上の持ち込みは非推奨です。あと近くのファミマでは捌けないし置き場もないので……。
更に発送の際はgithubからQRコードを印刷するシステムを利用しようとしましたが、まさかのバグで使えないことが当日判明。
バグを直すよりかはIllustratorにファイルを読み込ませた方が早いと判断。下記記事を参考に作成し、百均のシール用紙に印刷して封筒に貼り付けました。

わが家のIllustratorがCS6なのでcsvは読み込めずxmlに変換が必要だったのと、BOOTHからDL出来るcsvも項目が微妙という有様で、ここがちょっと手間でした。力技でなんとかしました!
また、印刷したQRコードがネコピットの読み込みで通らないことが多々あったので、受付番号とパスワードは注文番号とQRコードと絶対一緒に印刷した方がいいです。
次回がある際は素直に書店委託かBOOTH倉庫を利用したいと思います。最初に告知をしたのもあとあと変更が出来ないので悪手でした……。

アンソロ作業一覧

最後にアンソロの作業として実際に何をしたのか、というメモ書きです。

事務作業系

  • 告知・宣伝作業(寄稿者募集とアンソロそのもの)

  • 寄稿者の方への連絡

  • お問い合わせへの返答

  • イベント主催様との連携・企画協力→個人主催のイベントなのでかなり支援をしていただきました。

  • 在庫管理

原稿系

  • 原稿チェック

  • 小説原稿のPDF化と確認依頼

  • コメント作成

  • 目次作成

  • 台割り

  • 各入稿ならびに支払い

台割りについて補足です。
同人誌は4P単位かつ漫画は左右指定もあるので、内容とページ数のバランスを考えながら掲載順を決めました。また4P単位で足りないページはあとがきや表紙イラストのモノクロverを入れたりして調整をしました。

通販・発送系

  • 通販資材購入

  • サンクスカード作成

  • 寄稿者の方へのお礼購入

  • 寄稿者の方への献本送付

  • 封入

  • 発送

行動系

  • 別イベントの参加・告知

  • ノベルティ使用例の為のロケ

  • 母体イベント企画への協力

別イベントは個人主催WEBイベントに2回、エアブーに1回参加しました。
また、イベント当日に母体イベント内の企画で行われたTwitterのスペースでの配信をお手伝いをしました。

画像系(ほぼおまかせ)

  • Twitter画像(アイコン・ヘッダー・告知)

  • イベント用画像(サークルカット・おしながき・店舗画像)

  • 表紙作成・レイアウト

  • 目次レイアウト

  • コメントページレイアウト

  • ノベルティ作成

  • サンプル画像作成

  • ネットプリント用フライヤー作成・登録

作業量はデザイン担当の友人と「絶対一人では無理だった……!」と言い合うくらい多かったです。

ずっとこれ。
ただやりたいこと全部のせしたので、必要最低限の作業となるともっと少ないんじゃないかなあ、と思います。
逆に現地イベントでのフライヤー配布はご時世もあって行っていません。

最後に+宣伝

アンソロの主催は正直大変でした。
土曜から日曜にかけてのイベントでしたが、日曜の朝はいままでなかった動悸で目が覚めましたし、翌日は気が抜けてふにゃふにゃになっていました。
けれど実際に刷られたアンソロを見ると「主催してよかった……!」という感想しか出てきません。外も中も最高な一冊となっています。
寄稿してくださった方々、手伝ってくれた友人達にはただただ感謝しかありません。ありがとうございます!
まだ在庫はありますので、興味が出た方は是非購入してください。

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