治癒過程に合わせたリハビリ
足関節捻挫後のリハビリを行う上で機能獲得のポイントは3つあります。
①足関節の正常運動パターン
②内在筋-外在筋のバランス
③他関節の連動
この3つを踏まえた上で、足関節靭帯損傷(Ⅱ°)後にその治癒過程に合わせたアプローチをどの様な流れで行うのか、一例をご紹介していきます。
1.急性期
組織回復を優先させ、炎症を増悪させないことがポイントとなります。
RICE処置を徹底して損傷組織周辺の循環不全による二次的低酸素症を引き起こさないようにします。
必要に応じて松葉杖、サポーター、テーピングなどで損傷組織(前距腓靭帯)に負荷を与えないように、安静度の指示も必要になります。
炎症が長引くと、、、
腫脹・浮腫による組織間の滑走不全は、可動域制限、筋出力低下を引き起こすことから、その予防としてセルフリリースを行ってもらいます。特にくるぶし周りは腫脹により滑走不全が起こりやすい場所になるため、早期から予防します。
また腫脹・浮腫の早期改善(静脈還流の促進)を目的として、リンパ節がある部位である股関節周囲と、腹部〜鎖骨部のエクササイズを行います。そのためには組織の保護(サポーターやテーピング)や安静度の指示(無理に歩かせない)が必要になります。局所の循環不全により、組織回復に必要な酸素、栄養が滞り局所の回復が遅れるだけでなく、組織間での滑走不全が起こります。
急性期のポイント
2.回復期
1週間-2週間|タイプⅠコラーゲンが増生し始め、組織の強度が徐々に増してくる時期になります。
この時期は背屈運動における正常キネマティクスの獲得後、正常な筋活動パターン獲得に向けたトレーニングを行います。
背屈可動域改善では、背屈に伴う過外転など異常キネマティクスの改善を図ることを優先します。
歩行動作の改善やその後のCKCトレーニングでのマルユースを引き起こさないためにも、この時期に背屈運動における正常キネマティクスの獲得は重要なポイントになります。
痛みが軽減し何んとなく動ける時期になりますが、修復しかけている組織は十分な抵抗力を有していないため、負荷が強すぎると炎症の再燃、筋スパズムの増悪を起こしかねません。
組織の治癒が進む上で、損傷組織に負荷をかけすぎないことが重要です。
そのため炎症の寛解、可動域や筋出力を確認しながら、OKC→CKCでのトレーニングを開始します。
回復期のポイント
3.復帰期
靭帯が成熟(コラーゲン線維を同一方向に再配列)するには、修復中に一定の張力をかける必要があります。
負荷をかけて、組織を強くするが負荷をかけすぎて炎症を再燃させない。
そのバランスが重要になります。
これもやはり、可動域や筋出力を基に確認していきます。
さらには再発予防・パフォーマンスを基のレベルに戻すためには、段階的なアスレティックリハビリテーションが必要になります。
無意識のうちに患部をかばった動きになっている可能性があります。
復帰期のポイント
動作分析を通して、患部を強化するため、再発予防のための段階的なトレーニングを行います。
どのような動作が患部に負担をかけ、再発するリスクがあるのか。
トレーニング負荷量の設定が大事になります。
最短で全力で復帰させるには、すべてのフェーズで課題をクリアする必要があります。
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平 純一朗|タイラ ジュンイチロウ
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