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PT×ATの思考の整理

フィットネスジムでのコンディショニング ・パーソナルトレーニング、スポーツ現場でのトレーナー活動で得られる経験から、その知識・技術をnoteに整理して行きます。日進月歩の医学の世…
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2020年11月の記事一覧

長母趾屈筋を活用する

臨床で長母趾屈筋(FHL)のタイトネスにより足関節の背屈を制限するなど、問題として捉えられることが多い筋肉です。 しかし起始-停止から走行が長い筋肉であることや、蹴り出し時に母趾が伸展されることから、長母趾屈筋を活用することで大きな力を発揮できるのではないかと考えられます。 1.機能解剖走行 後脛骨筋・長腓骨筋の間を走行し、距骨後方、内果後方で骨と隣接し、屈筋支帯の下を通過、載距突起の下を走行し足底で長趾屈筋と交差、足底腱膜、母趾外転筋と隣接し、母趾末節骨に付着します。

オーバーヘッドスポーツで多い肩の痛み

野球、バレー、テニスで多いオーバーヘッド動作による肩の痛みの原因について考えていきます。 上肢挙上に伴い、肩甲骨は上方回旋、後傾、外旋します。 この動きにより上腕骨頭と肩峰下のスペースは一定に保たます。 しかし、肩甲骨の動きが阻害さえることで肩峰下のスペースが減少し、肩峰下において上腕骨との間にある組織に対してストレスが加わります。 (インピンジメント症候群) また肩甲骨の異常運動は、肩関節の土台となる肩甲胸郭関節の適合性を低下させ、肩関節周囲筋の筋出力低下を招くことにな

膝内側の痛み|鵞足炎

ランニングにおいて発生頻度が多い膝内側の痛みである鵞足炎について、解剖から評価、局所の改善方法、トレーニングについてご紹介していきます。 鵞足の機能解剖縫工筋・薄筋・半腱様筋の3筋が脛骨近位内側に付着する部分。 表層に縫工筋、深層に薄筋・半腱様筋が走行し、さらに深層には鵞足包がある。 鵞足包は鵞足とMCL間の摩擦を軽減する役割があるとされている。 鵞足炎ではこの鵞足包とMCL間での摩擦による炎症とされています。 鵞足炎を誘発しやすいランニング動作Lunge動作 ✔︎下腿外

トレーニングに必要な生理学|全身持久力の推定

持久力とは 筋肉が長時間運動を継続することができる身体作業能力とされています。 そのエネルギー源はATP(アデノシン三リン酸)であり、生きるために必要なエネルギー源となります。 ATPを作り出す3つのエネルギー産生機構の特徴を説明していきます。 エネルギー(ATP)を作り出すための3つの産生機構●ATP-PCr系 最も迅速にエネルギーを筋に送り込むことができ、単位時間あたりのエネルギー供給量は最大であり、筋内のクレアチンリン酸からエネルギーを産生します。 しかし、クレアチ