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オーバーヘッドスポーツで多い肩の痛み

野球、バレー、テニスで多いオーバーヘッド動作による肩の痛みの原因について考えていきます。

上肢挙上に伴い、肩甲骨は上方回旋、後傾、外旋します。
この動きにより上腕骨頭と肩峰下のスペースは一定に保たます。
しかし、肩甲骨の動きが阻害さえることで肩峰下のスペースが減少し、肩峰下において上腕骨との間にある組織に対してストレスが加わります。
(インピンジメント症候群)

また肩甲骨の異常運動は、肩関節の土台となる肩甲胸郭関節の適合性を低下させ、肩関節周囲筋の筋出力低下を招くことになります。
その結果、肩甲上腕関節の異常運動を誘発し、腱板損傷などの軟部組織にストレスを加えることとなります。

つまり肩甲骨の運動を評価し、改善することは肩関節の痛みの改善、予防に重要なファクターとなります。

今回は肩甲骨の異常運動として知られている、Scapular Dyskinesisとその改善方法についてご紹介していきます。

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Scapular Dyskinesis

Scapular Dyskinesis|肩甲骨が正常に動いていない状態
特定のパターンを示すものであり、機能障害に対する非特異的な反応とされています。

非特異的であることから、運動パターンに異常が見られても症状として現れない場合もあります。
経験的には、肩を痛める人には異常動作が伴っていることがほとんどであるが、症状が出る前からなのか、症状が出たから異常運動になったのかを明らかにすることで予防が可能になるかもしれません。

●評価方法
重り(1-2kg)を持ちゆっくり上肢を挙上させ、ゆっくり下降させます。
その際の肩甲骨の動態を評価します。

肩甲骨運動異常
TypeⅠ|肩甲骨下角の突出 →前傾
TypeⅡ|肩甲骨内側縁の突出 →内旋
TypeⅢ|肩甲骨上縁の早期挙上・上方回旋
TypeⅣ|正常
※mix typeもある

挙上に必要な肩甲骨の動きである上方回旋、後傾、外旋運動が低下し異常運動が出現するかを評価します。


改善方法|徒手療法

まずは周囲の軟部組織のアンバランスを改善します。
後傾・外旋不全を評価し可動性の改善を図ります。

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