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バレーボールで多い膝の痛み②|踏切動作

前回バレーボール中の膝下の痛みについて紹介しました。
練習中、トレーニング中のフォームを注意することで、怪我の予防ができるので、意識してみましょう!

昨年、週刊少年ジャンプで連載していた、バレーボール漫画『ハイキュー!!』が完結しました。

その作中であった

「いいジャンプは?」「いい助走から!」

という掛け合いを覚えているでしょうか?

高く跳ぶためにはいい助走を。という意味で使われていましたが、
いい助走は高く跳んで空中での選択肢を増やすだけではなく、怪我の予防にもなるんです!

今回はバレーボールのジャンプ動作の中で、助走動作を紹介します。

✔︎どういう助走をしているのか、
✔︎どのような動きが膝の痛みにつながるのか、
✔︎膝の痛みの予防やその他の怪我の予防

に役立てていただければと思います!


1.助走について

バレーボールで多い足の怪我として、膝下の痛みやACL損傷などの膝の痛みや、足関節捻挫があげられます。その多くはジャンプが乱れ、ジャンプ着地がうまくいかなかったり、ネットに近すぎてブロッカーの足を踏んだりすることで起こります。
では、なぜジャンプが乱れてしまうのでしょうか?
ジャンプの前に行う助走動作に注目してみましょう。

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引用|スポーツ理学療法学 動作に基づく外傷・障害の理解と評価・治療の進め方 改訂第2版

①ステップ
開始のステップ体を前傾させて重心を下げながら加速する。

②加速
両手を大きく後ろに引き、前方へ大きく踏み込む。
この時爪先をしっかり上げて踵からつくことで前方への重心移動がしやすくなる。

③切り替え
助走の前方への推進力を制御しながら上方向に切り替える。
軸足の反対側の骨盤回旋・股関節内旋させて接地し、腕を振り上げながら運動方向を切り替えて、体を伸ばす。

④踏み切り
基本的に両足で踏み切り、股関節膝関節伸展、足関節底屈を連動させ、高くジャンプをする。

この中でも②、③がうまくできないと怪我の原因になると言われています。


2.怪我しやすい相

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引用|スポーツ理学療法学 動作に基づく外傷・障害の理解と評価・治療の進め方 改訂第2版

チェックポイントはこの3点です。

②〜③の時に爪先が外を向き膝が内側を向く
【knee in toe out】の姿勢になりやすくなります。

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引用|スポーツ理学療法学 動作に基づく外傷・障害の理解と評価・治療の進め方 改訂第2版

②にてKnee in toe outの姿勢になると、膝下が外向きになり、膝の靭帯が捻られ引っ張られる形になります。
そこから③で膝が曲がることでさらに靭帯が引っ張られ、靭帯に過剰な負担がかかり、膝下の痛みにつながります。

③歩目の踏み切り足は足関節捻挫が起きやすいと言われています。
この時に足首は進行方向に対し、内向きになります。

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引用|スポーツ理学療法学 動作に基づく外傷・障害の理解と評価・治療の進め方 改訂第2版

この踏み込み足は前述した通り、前方への推進力を上方へ切り替える役目があります。これをうまく制御できないと膝が曲がり、体が前へ流れてしまいます。
また、この足首の姿勢は捻挫しやすく、体重をコントロールしにくい姿勢になります。
経験が浅い方の場合は、②で生まれた勢いを制御できず、にそのまま捻挫をしてしまうことがあります。

③歩目に踏み切れたとしても、推進力の切り替えができずに前上方へ飛び上がるためネットが近くなり、不自然な着地や最悪相手ブロッカーの足を踏み、捻挫に繋がります。


Knee in toe outでのステップや、内向きでの踏み切りを繰り返していると、足首の靭帯や筋肉に負担がかかり、慢性的な足首の痛みや硬さ、不安定の原因にもなります。
これらの姿勢は体重が流れてしまいやすく、助走の勢いをジャンプに乗せられなくなってしまいます。


3.助走での注意点や怪我の予防

前述したように、助走中にも慢性的な痛みにつながる点や、プレーがうまくいかない要因が何点か見つけられます。
膝の痛みや、足首の痛みは、プレーの妨げになるだけではなく、大きい怪我の原因にもなるため、なるべく避けたいです。
でも助走はプレー中意識しようとしてもその時の状況によって定まらないのも事実…
では、どうやって予防したらいいのか。

助走②〜③の時にしっかり止まって体重をコントロールすることができれば、痛みや怪我の予防、パフォーマンスアップにつながります!
前回の記事でジャンプで膝が前に出ないようにブレーキをかけてくれる筋肉は裏ももとふくらはぎの筋肉とお伝えしました。

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ジャンプ前の踏み切りの動きもスクワット動作と似ている点があるため、ぜひ参考にしてみてください!
右図のように膝が前に出やすい人は、助走②〜③でうまく制御できていない可能性があります。チェックしてみましょう。

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以上、
バレーボールで多い膝の痛みについてご紹介しました。
練習中、トレーニング中のフォームを注意することで、怪我の予防ができるので、意識してみましょう!

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