中学受験をする理由

――なぜ、子どもに中学受験をさせようと思ったのか。

理由はいっぱいあるのに、いざそう聞かれると答えに詰まることが多々あ
ったので、自分の中で整理するためにまとめました。

①学習環境やプログラムなどが充実している(→進学実績が◎)
私立はある程度の進学実績を出さなければならないということもあり、学習環境や学習プログラムが充実している学校が多いと思います。

たとえば、英語ひとつ取っても、習熟度別に少人数制にしたり、ネイティブ教師の授業を数多く履修したり、希望者に海外研修の受け皿があったり。他にも、吹奏楽部に入部しなければ触れられなかったであろうバイオリンやホルン、フルートを音楽の授業の必修に取り入れていたりすることも。

学校によっては、季節講習や補講などを設けていて、1コマ500円〜1000円程度から受けられたりもします。また、長期休暇や平日夜21時まで自習室を開放してくれたりもする学校もあり、職員室に行けば先生がわからない問題を解説してくれます。高校3年生になると志望大学別の授業を選択できるので、大学受験のために予備校に通う必要はなさそうです。

学校があれやこれやと考えて策を講じてくれるので、私立は入り口に比べて出口がいいと言われる学校が多いように感じます。進学実績が伸びると推薦枠も充実してくるので、そういったところも魅力のひとつ。

またコストパフォーマンスの面で見ても、公立中に通って学費を安く抑えられたとしても英会話や塾・予備校に通う必要が出てくるのなら、私立が言うほど割高だとは思えません。

②友達との関係を6年かけてしっかり育んでほしい           新しい環境になかなか馴染めない子なので、3年で関係がほぼ一掃される公立よりも、同じ環境に6年間身を置いてしっかり友達との関係を築いてほしいからという理由もあります。

帰国生をはじめ、さまざまな地域から集まった多様なバックグラウンドを持つ友達と知り合えるのも魅力。「多様性=公立」というイメージがあるけれど、公立における多様性は学力や親の経済力に特化したところであって、それは私立にもあるだろうし、私立には私立の多様性が存在すると思うのです。
 
また現在、公立小学校に通っている娘は「公立」の持つ多様性はすでに肌で感じている気がしますし、土地柄同じような属性の人が多い学区なので公立中学校で多様性を学べるかと問われたら、小学校以上の多様性があるとも正直思えません。

③私立は特徴のある教育方針の学校が多い
言わずもがな私立ならどこでもいいというわけではありません。私立は独自の教育方針や特徴ある校風を持つ学校が多く、それが家庭の教育方針と合っていると共感しやすく、理想的な指導環境に子どもを預けることができます。

たとえばキリスト教の学校は「奉仕の精神」を大切にしているところが多く、人間関係で揉めたり悩んだりする多感な時期に、「他者を思う気持ち」を身につけるのは自分にとって大きな支えになるのではないでしょうか。

④思い通りにならないことがあっても頑張らなければならないことがある    整理するにあたり、どんな理由があるのかいろいろ考えてみましたが、なぜ中学受験をするのかという一番の理由は、「思い通りにならないことがあっても頑張らなければならないことがある」ということを体感してほしいからだと思っています。

中学受験は過酷です。何かを我慢してがんばって勉強しても、思うように成績は上がりません。どんなに勉強しても自分より優秀な子はごまんといて、その途方のなさに挫けそうになります。そうなったとしても、勉強し続けなければならない。途中で疲れたら休憩してもいいけれど、また走り出さなければいけない。その努力が必ず報われるとは限らない中、自分のことを信じて走り続けなければならないのです。

中学受験に限らず、この先頑張っても報われないという経験をたくさんするはずです。そうした時にそこで腐らず、あきらめないで頑張り続けられる心を持っていてほしいのです。

そうした心を育むのはなにも中学受験でなくても、スポーツでもいいのかもしれません。ただ、スポーツの世界の方が厳しい。毎日何時間も練習に費やし、コンクールに出たり、留学したり、プロになったとしても、食べていけるのはほんの一握り。セカンドキャリアを築くのも簡単ではありません。中学受験よりもお金もかかりそうです。こつこつ努力したことが一番報われやすのが勉強なのではないでしょうか。




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