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この日は4.5時間働き、収入は5,118円。

今年の8月、たった2日でアルバイトを辞めた日から数えて、約2ヶ月ぶりに労働をしてきました。
自転車で45分くらいのまぁまぁな距離にある運送会社の荷物仕分けです。

働くにあたってタイミーというアプリを利用しました。
履歴書も面接も不要で条件さえ満たしていれば誰でも採用、なおかつ労働終了後には登録した口座に即時給与を入金できる、なんとも無駄を省いた便利なサービスだなぁと思います。

この日は4.5時間働き、収入は5,118円。

労働は良いです。
久しぶりに自分の力で稼いだので、金額は関係なく、気分が上向きました。
そして現実的に誰かの役に立っていることを実感できます。

私は荷物の仕分けをする仕事に対してちゃんと出来るのか恐れがありました。
求人の募集欄に20キロの重たい荷物ありや、必要な持ち物に汗拭きタオルなどが書かれていたので、貧弱な肉体の人間は応募しないでくれ、と言われているような気がしていたからです。
さぞかしハードな肉体労働なんだろうなと、覚悟して臨んだのですが、ほんとうに杞憂でした。
持っていったペットボトルにほとんど口をつけずに終わり、なんなら体力的にもまだまだいけるくらいずっとへっちゃらだったのです。
無事にお届け先に届いてくれよ、なんてひとつひとつの荷物に思いを馳せる時間があるくらいには余裕がありました。

基本的に荷物はベルトコンベアに乗って運ばれてくるので、持ち上げる動作が最小限で済むこと、人が多いこと、そもそもそんなに重たい荷物がないこと、冷蔵品、冷凍品の日だったことなどが影響してそうです。
冷蔵のレーンが終わると次は冷凍のレーン…これを繰り返していました。
寒かったのですぐお手洗いに行きたくなります。

やけにぶどうを包んだ荷物が多かったのですが、そういうシーズンなのでしょうか。

良かったことは、簡単な肉体労働なので、とても心地が良いと感じたことです。運動はやはり良いものですね。荷物をコンテナの中に綺麗に収めていくのですが、重さや形、大きさがバラバラなので少しだけ頭を使って、どうしたら綺麗に収まるか考えるのが、身体を使ったテトリスみたいで楽しいと思いました。

嫌だったことは、作業中は赤いゼッケンを付けてタイミーの人と呼ばれていたことでしょうか。その方が配慮とかしやすいのでしょうか。
あと作業開始時に説明もなく目の前に荷物が流れてきたときはさすがに戸惑いました。すぐ隣にいた同じゼッケンを付けていた青年に教えてもらい事なきを得ましたが少し不親切だったように感じます。
あとは工場の中は機械音がずっとしていたので、指導者の方の声が聞き取り辛く、何度も聞き返すのがとても億劫でした。
そしてあらためて私の声小さ!と思い反省した次第です。
あとはいかにもやる気のなさそうな社員さんの存在でしょうか、単純作業の繰り返しに意味を感じられず投げやりな態度になっているとでも言いましょうか。荷物を雑に扱っている姿は見ていて気持ちの良いものではありませんでした。

それにしても労働の辛さって我慢にあるのかなと思いました。
疲れたときに疲れたと声に出せずに悶々としていたり、身体は疲れているのに座り込むことも出来ず立ち続けていたり、逆にもう声を出したくないのに話さなくてはならなかったり。

ともかく色々書きましたがひきこもりの私にとってとても良い刺激になった経験でした。全ての人との関わり、知らない場所、風景や音など、荷物の冷たさや感触、重たさが心の栄養となりました。

帰り際少し小雨が降っていました。
家で猫が待っているので、自転車に少し力を込めて帰りました。

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