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人から盗んで”褒められる”話

ついにプロ野球が開幕しました。
初めて”無観客”という条件のなかでの開幕。選手のモチベーションコントロールは容易ではなかったはず。

しかしながら、始まってみれば各地で素晴らしい試合が繰り広げられ、コロナ禍においてなお自己研鑽を積んできた選手たちには改めて”プロフェッショナル”を見た気がします。

振り返ればこれまで当たり前に過ごしてきた毎日が突如として”自粛”という見えない鎖に繋がれながら過ごした約3ヶ月。

これまで”便利になること”に一辺倒だった世界から、”出来ることを制限される”世界に一変しました。最初は慣れない”自粛生活”。でも、次第に「今、目の前に置かれている条件、環境の中で出来ること」に集中していくというアタマに切り替わって行ったように思います。
それを体現したのが今日、開幕を迎えた”プロ野球選手”たち。
「困難な状況にも、歩み方によって光は見えるのだ!」と。

その輝けるプロ野球選手の中でもひときわ目立った存在がいました。
その”限られた条件の中”で試行錯誤を繰り返すことで自分の可能性は拡がってゆくのかもしれない。

和田康士朗のプロ初盗塁を観ていて、そんなことを思いながら。

和田康士朗は6月1日に育成選手から支配下登録になり”プロ野球選手”となりました。ピンと来ない方もいるかと思います。最近までは育成選手だったのだから。

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(画像引用:千葉ロッテマリーンズ公式HPより
すらっとした細身の体に優しい面影が残っている好青年。
でも、こう見えて「人から盗むのが得意」なんです。
興味を持っていただけましたか?
50メートル5秒8で駆け抜けるんです。人は見かけによらないものですよね?

和田康士朗の魅力は以下にもまとめましたが、まさにダイヤの原石と言えるべき存在です。

そんな一押し和田康士朗の開幕戦での素晴らしい活躍。
特に昨日のような東浜と石川の息の詰まるような痺れる投手戦。
そして、1点を”もぎ取られた”あとで少ないチャンスを拡大させた和田康士朗のプロ初盗塁は大きな仕事でした。

「人から盗んで褒められる」のはもちろん野球の中の話ですが、さらに「誰から盗めたのか?」というのも選手の付加価値として箔が付く世界。

今回の初盗塁の相手は”甲斐キャノン”でお馴染みソフトバンク甲斐拓也。
今、日本プロ野球界でもっとも”盗む”のが難しいキャッチャー。

最終的にはソフトバンクに現れたニュースター候補・栗原陵矢にサヨナラヒットを打たれ負けてしまったものの、ロッテが競り勝っていたら間違いなくこの盗塁が勝利を引き寄せる要因としてフォーカスされたはず。

和田康士朗は入団当初は線が細すぎるし、体力的についていけない現実がありました。しかしながら、その逆境の条件下の中で”目の前の成長するための試行錯誤にのみ”集中してきた結果が昨日、実を結んだのです。

和田康士朗の物事への取り組む姿勢は是非、私たちも”盗みたい”ものです。


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