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新エース・種市篤暉の進化

新しい時代がくると必然的に”新しいヒーロー”が生まれるもの。
その座を種市篤暉は射止めることができるのか?

涌井が楽天移籍したあと新背番号16を背負った若きエースは二木康太と並んでマリーンズの新エース候補の最右翼の一人であることに疑いの余地はない。

あとは昨年の”ブレイク前夜”から”本格的なブレイク”を見せつけられるか。

そこに期待していた初登板。
一番、目を引いたのは”ストレートの質の向上”

バッターのスイングする軌道の”上”をボールが通過している。
つまりはバッターから見ると”思ったより上”にボールが来ていることになる。

マウンドはもともと”小高い場所”から投げ下ろしてくることを考えると当然自然の法則としては、ボールは垂れてくるはずである。

ただ、その放たれたボールが”一定以上の回転数を保ち、下に落ちる重力よりも上がる揚力が大きくなっている”のであればバッターにはそうは見えない。

この1球はバッターにしてみれば「想像よりも来ている球」に見えたはず。

もともとストレートの強さが売りのピッチャー。
昨シーズンもそのストレートを中心にフォーク、スラット(スライダーとフォークの中間の変化球)を駆使して三振の山を気づいたわけだが、その生命線がさらに進化している証拠。

その進化はどうやら【右手の中指】にありそうだ。

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手元で自分の手を見て見ると、当たり前が「中指の方が人差し指より長い」
普通は両方伸ばしたまま、ストレートを握るが種市篤暉の手元を見ると、”わずかながら若干中指をボールを引っ掻くように立てて”握っている。

こうすることでリリース時の体と腕の傾きに対して、より力がボールに伝わりやすい(=回転数を上がりやすい)形を作り出しているようにも見える。

プロというのは弱肉強食の特殊な世界。そこで勝ち抜くには必要最低限のレベルを担保することはいうまでもない。さらには、長所を伸ばし、自分が勝てる武器を徹底的に磨くことも求められる。

このプロとして”必要最低限を担保”と”戦うための武器作り”を同時にできる一握りが一流と呼ばれるプレーヤー。

種市篤暉のこの1球で確実にその【一流プレーヤーへの階段】を登っていることを確信するとともに、今シーズンの楽しみがまた一つ増えた。

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