漢方人体実験の感想

おそらく虚証である筆者が、実証向けの漢方を服用してみて、死にかけたりした記事を過去に何本か書いた。あんな馬鹿なことをするに至った経緯などを記す。


漢方を舐め腐ってた

穏やかに効いた実績があった

色々あってとにかく疲れてはいたけど、西洋薬は急性症状を良くするものばかりだし、睡眠薬で寝まくってもなんとかして栄養をつけようとしても、時間が足りなかった。そこで、何かブーストしたかった。

とりあえず何もかも足りないだけの状態のような気がしたし、特に深く考えず、シンプルな処方意図のものをファーストチョイスにしたかった。そこで、エネルギーを補う処方のベースになる四君子湯と、貧血めいた物質的欠落を補う処方のベースになる四物湯を合わせて、ほんの少し調整した十全大補湯を試して、2週間くらいで体が動きやすくなった。また、ほぼ同時期に、お腹の弱さから小健中湯を処方されていた。

これは結果的にフラッシュバックに対する神田橋処方の変法として働いて、非常にメンタル的にも合ってもいたのだろう。ただ、薬にありがちな変な副作用も無かったので効いているかどうかも「気のせいでは?」という感じだった。

副作用がないのは気持ち悪い

これまで西洋薬には散々副作用で苦しめられてきた。リスペリドンを飲んでは倒れ、アリピプラゾールのアカシジアには耐えられず入院し、クエチアピンで寝込んで吐いた。パルブロ酸やリチウムでは全身が赤く腫れた。喘息の発作どめでは心臓を痛めて救急搬送された。いずれもプラスの効き目も有ったが、耐えられなかった。薬なんて、特に、効くようなものはこんなもんなのが相場で副作用が無いのは本能的に気持ち悪い、と感じてしまった。そのせいで漢方の括り全体に「プラセボでは?」と思うようになってしまった。

でも合わないと漢方でも痛い目に遭うことはわかった

私は、おそらくは「健康に生きるのには必要な何かが足りていない」虚証の体質だろう。それなのに「食べ過ぎたものが溜まってしまった」「運動不足などで体が濁っている」というような人に向けての処方を試してみたら、ちゃんと痛い目には遭えた(過去記事参照)。おかげで漢方はプラセボとして働いている訳でもなさそうだ、ということがわかった。

では逆に実証の人が虚証向きの薬を飲んだらどうなるのだろう?

大建中湯を例に考えてみよう。大建中湯は、術後のイレウス対策にも使われるが、体力が無く冷え性の人の腹部症状に適した処方で、乾姜・山椒・朝鮮人参・膠飴から成る。どういうわけだか手術で消耗した人にはよく効いているようだ。

気力体力が旺盛でオールしたり飲み会でワイワイしながら暴飲暴食しても翌日ケロッとしている人に、山椒・生姜・飴なんて「ちょっと食べ過ぎた」の「ちょっと」の量が変わるくらいで何か起きるとは到底思えない。朝鮮人参のおかげで何か少しぐらい起きるかもしれないが……でもエナドリとかによく入っている成分だし、そのくらい、実証の人にはどうでもいいんじゃあ……

【ゆるぼ】有識者の見解

虚証の人が、実証向きの人の薬を飲むのは無理。無理そうな生薬が多い。大黄は消化器への刺激が強いし、麻黄は交感神経を刺激し過ぎてより疲れさせてしまいそうで、石膏では冷やされすぎてしまいそう。実際に試してみると、どうなるのだろう。(試行錯誤の中の失敗談めいた話を探せばよいのだろうか。)

追記

先ほど例にあげた大建中湯は、ほぼほぼ食品ということで、山椒と生姜を適量ツナ缶だとかに入れたものをご飯にかけて食べたりしてみたけど、食後に暑くなるのがさらに酷くなってしんどいし、胃腸を動かす作用がもろに出るのか血液が他のところに回りにくくなる気がするので、たとえ、食品で再現できるようなものでも合わん人だとまあまあつらい目にあうのかもしれないな、と身を以て学んだ。これはテキトーに再現しようとしたパチモンだが。消化に全力とられたら、他のことが何もできない…… 血が足りねえ!!!汗うぜえ!!!とにかく血が!足り!ねえ!!!なんか夏バテみたいになるぞ?!?!?! 私の思うより、証って、ピンポイントなものなのかもね。おくすりガチャを一発で当てたせいで実感が無かったけど。十全大補湯とか小建中湯とか、補う系のやつ、そんなに合ってたの?(困惑)

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